主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年7月14日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼13日(木)の為替相場
(1):中国の貿易は輸出入ともに減少
(2):英月次GDPは減少
(3):神田財務官 足元の為替の動きに見解示す
(4):ECB理事会議事録公表「0.5%利上げを望む声も」
(5):米経済指標を受けてドルが乱高下
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:上値の重い展開が続きそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
13日(木)の為替相場
期間:13日(木)午前6時10分~14日(金)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国の貿易は輸出入ともに減少
中国6月貿易収支は706.2億ドルの黒字となり、黒字額は予想(749.0億ドル)を下回った。輸出入ともに減少したが、輸出の減少(前年比-12.4%)が大きかった。
(2):英月次GDPは減少
英5月国内総生産(GDP)は前月比-0.1%と予想(-0.3%)ほどには減少しなかった。4月は+0.2%だった。一方、英5月鉱工業生産は前月比-0.6%と予想(-0.4%)以上の落ち込みとなり、減少幅は4月(-0.2%)から拡大した。同貿易収支は187.23億ポンドの赤字で、赤字額は市場予想(148.00億ポンド)より多かった。
(3):神田財務官 足元の為替の動きに見解示す
神田財務官は足元の為替の動きについて「具体的なコメントはしない」とした上で「急激な円安の大きなファクターであった投機的な円のショートポジションが急速に巻き戻され、ファッションだった円キャリートレードの勢いも弱まっているとの見方が強い」と指摘した。
(4):ECB理事会議事録公表「0.5%利上げを望む声も」
欧州中銀(ECB)は6月理事会の議事録で「25bp(0.25%ポイント)の利上げを支持する非常に幅広いコンセンサスがあった」が「高インフレが根付くリスクを考慮し、50bpの引き上げを望む意見も当初表明された」ことを明らかにした。
(5):米経済指標を受けてドルが乱高下
米6月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.1%と予想(+0.2%)を下回った。前年比でも+0.1%となり、-0.3%だった2020年8月以来の低い伸びとなった(予想+0.4%、前回+0.9%)食品とエネルギーを除いたコアPPIは前年比+2.4%となり、予想および前回の+2.6%を下回った。一方、同時に発表された米新規失業保険申請件数は23.7万件と市場予想(25.0万件)を下回り前週(24.9万件)から減少した。これらを受けてドルは乱高下したが、米長期金利がPPIの鈍化を受けて低下幅を拡大するとドルにも下落圧力がかかった。
13日(木)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:上値の重い展開が続きそう
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%下落。米6月生産者物価指数(PPI)が予想を下回り、前日の6月消費者物価指数(CPI)に続いてインフレ鈍化を示したことで米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは今月で打ち止めになるとの見方が強まった。米長期金利が低下する中、NY市場終盤には一時137.93円前後まで下落して5月22日以来の安値を付けた。
他方、今朝の読売新聞は日銀が今月末に公表する展望リポートで今年度の物価見通しを2%台に上方修正する見通しと報じており、イールドカーブ・コントロール(YCC)修正・撤廃を巡る市場の観測がさらに高まる可能性もある。
ドル/円はFRBの利上げ打ち止め観測と日銀のYCC修正観測で上値の重い展開が続きそうだ。ただ、週初からすでに5円程度下落していることを考えると、本日は週末を控えたショートカバーも入りやすく、売買が交錯する形で不安定な値動きとなる場面が増えそうだ。
注目の経済指標:ミシガン大消費者態度指数
注目のイベント:米企業決算
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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