主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年4月27日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼26日(水)の為替相場
(1):豪四半期CPIを受け RBAの利上げ期待後退
(2):独政府 今年の成長率予測を上方修正
(3):米耐久財受注 予想を大幅に上回る
(4):FRC巡る報道でドル/円急落
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:不安定な値動きになりやすい/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
26日(水)の為替相場
期間:26日(水)午前6時10分~27日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪四半期CPIを受け RBAの利上げ期待後退
1-3月期消費者物価指数(CPI)は前年比+7.0%と予想(+6.9%)を上回ったが、10-12月期の+7.8%から伸びが鈍化した。コアCPIにあたるCPIトリム平均値も前年比+6.6%に鈍化した(予想+6.7%、10-12月期+6.9%)。これを受けて豪中銀(RBA)が5月2日の理事会で利上げを再開するとの期待が後退。豪ドルは売り優勢となった。
(2):独政府 今年の成長率予測を上方修正
ドイツ政府は今年(2023年)の成長率予測を0.4%とし、1月に0.2%へ引き上げたのに続いて再び上方修正した。一方、今年のインフレ予測は5.9%へ小幅に引き下げた(従来6.0%)。
(3):米耐久財受注 予想を大幅に上回る
米3月耐久財受注は前月比+3.2%と予想(+0.7%)を大幅に上回った。変動の大きい輸送用機器を除いた受注も前月比+0.3%と予想(-0.2%)に反して上昇した。ただ、国内総生産(GDP)を構成する民間設備投資の先行指標とされるコア資本財受注(非国防/除航空機)は-0.4%と予想(-0.1%)を下回った。
(4):FRC巡る報道でドル/円急落
米当局は、経営難の米中堅銀行ファースト・リパブリック・バンク(FRC)に関する介入に消極的、とする米大手メディアの報道が伝わると米長期金利が低下。ドル売りが強まりドル/円は下落したがクロス円はストレートドルの上昇に支えられて下げ渋った。
26日(水)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:不安定な値動きになりやすい
昨日のドル/円は海外市場で133円台を上下する不安定な値動きだった。米3月耐久財受注が予想を上回ると133.92円前後まで強含んだが、経営難に陥ったファースト・リパブリック・バンク(FRC)への関与について米政府は消極的との報道が伝わると133.02円前後まで急落。しかし、ロンドン・フィキシングの前後で月末に絡むドル需要が観測されると133円台後半へと持ち直し、前日比ほぼ横ばいの133.65円前後で取引を終えた。
本日から明日にかけて行われる日銀金融政策決定会合を睨み、ドル/円は本日も方向感を伴った動きにはなりにくいだろう。植田日銀総裁は大規模緩和を継続する考えを繰り返し表明しているが、市場の一部にはなおもイールドカーブ・コントロール(YCC)の修正・撤廃観測がくすぶっているようだ。月末の接近もあって市場は総じて様子見ムードに傾きやすいと見られるが、それだけに昨日同様、米経済指標やニュース・ヘッドラインに過敏に反応する可能性もある。不安定な値動きになりやすい地合いも変わらないだろう。
注目の経済指標:米1-3月期GDP
注目のイベント:米7年債入札
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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