執筆日時:2023年3月13日13時30分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人
※チャート:ドル/円-15分足 外為どっとコム「ネオチャート」
米NFPは予想を上回るも時給の伸び鈍化で米ドル/円失速、SVB破綻も重し
3月10日、米労働省が発表した2月の非農業部門雇用者数(NFP)は31.1万人増と、市場予想(20.5万人)を上回り、人手不足が継続していることを示唆する結果となりました。一方で、失業率が3.4%から3.6%へ悪化したほか、時間給の前月比も0.2%へ鈍化するなど労働市場の軟化を示すデータも散見され、内容については強弱まちまちといった様子でした。結果を受けて、CMEのFedWatchツールでは3月FOMC(連邦公開市場委員会)での0.5%利上げ織り込み度が75%から41%付近へ低下しました。
136円半ばだった米ドル/円は、米国のタカ派観測の後退から売りが優勢となり、134.112円まで下落しました。米10年債利回りは3.70%付近へ低下したほか、ダウ工業株30種平均は、345.22ドル安い31909.64ドルで取引を終えました。もっとも、米シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻を受けた信用リスクの高まりによるリスク回避の円買いが、米ドル/円の失速を主導した側面もありました。
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米雇用統計の予想と戦略(先行記事へのリンク)
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