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今週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「RBAがタカ派度を弱めた!再度強める可能性は?」ハロンズ FX 2023/3/12

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

RBAがタカ派度を弱めた!再度強める可能性は?

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は91.65円前後、NZドル/円は84.46円前後で週初を迎えました。3月5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で2023年の実質GDP成長率目標を前年の目標よりも0.5%引き下げて5%前後に設定しました。これが控えめと捉えられ、中国と交易関係の強い豪ドルやNZドルは売り優勢となりました。3月7日に豪準備銀行(RBA)は金融政策会合(理事会)を開催し、政策金利を発表。市場の予想通り0.25%の利上げを実施し、政策金利を3.60%としました。同時に公表された声明の内容がハト派的と捉えられました。7日、8日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言でタカ派的な発言を示したことで、米ドル買いが強まりました。米国の金融引き締めがさらに強まるとの懸念が強まり米国の株価指数が下落したこともリスクマインドに敏感な豪ドルやNZドルにとってはネガティブな材料となりました。豪ドル/円は89.26円前後、NZドル/円は82.87円前後まで一時的に下落しました。(執筆時)

RBAが政策見通し変更!

前述した通り、3月7日に開催されたRBA理事会では、0.25%の利上げが実施されました。声明を見ると、前月から新たに加わった「今後数カ月にわたり金利を引き上げる必要」といった見方が、「金融政策のさらなる引き締めが必要」に置き換えられていました。市場はこれを、「RBAは利上げを近い将来終了させる。」と受け止めました。他方で、米国はあと数回の利上げを示唆しています。しかも場合によっては、利上げ幅が0.5%になる可能性もあります。そのため、豪ドルは対米ドルで弱含みやすい状況が続きそうです。また、パウエルFRB議長は議会証言で「FRBは求人件数と雇用統計、CPI、PPIに注目している」とも発言しました。今週14日は米2月消費者物価指数(CPI)、15日に米2月卸売物価指数(PPI)の発表が予定されています。これらの経済指標の結果次第では、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅拡大の可能性がさらに強く織り込まれることになります。仮に予想を下回る結果だった場合でも、RBAとFRBの金融政策の方向性の違いにより、豪ドルの上値は抑えられやすくなりそうです。

RBAの政策再変更の可能性は?

前述の通り、RBAは金融政策の方向性にタカ派度合いを和らげました。RBAは「月次CPIでインフレがピークを達したことを示唆した」との見方を示しました。月次CPIの推移は以下の通りとなります。
実際に月次CPIのデータを見ると確かに昨年12月に大きく加速したインフレは、1月に急速に鈍化しました。ただ、12月のインフレ急加速の原因は休暇シーズンで宿泊費や航空運賃などが上昇した影響と豪統計局(ABS)は説明していました。実際に月次CPIは11月とくらべるとまだ高い状態です。下は月次CPIから休日の旅行や宿泊費を省いたものになります。

このグラフを見ると昨年の8月以降初めて前年比+7%を割り込んだことを示しています。ただし、まだ1回大きく減速しただけです。継続して減速を確認することが必要となるほか、「豪州の主要なインフレ指標は四半期CPI」とRBA及びABSが示している通り、四半期CPIの鈍化を確認する必要があると思っています。次回は2023年1-3月期の四半期CPIが4月26日に発表されます。この結果を見て、5月の利上げの有無を確認することになりそうです。

CPI以外の経済指標は?

来週はRBAが重視するもう一つの経済指標、豪2月雇用統計の発表が予定されています。前回1月の雇用統計では、雇用者数が-1.15万人となり前月から2カ月連続の減少となりました。ただ、ABSはこの結果に関しては、「通常1月に労働市場は雇用者の移動(離職、転職など)が見られるが、今年は人々が職に復帰する時期が遅かった」と説明しました。そのため、2月分では大幅な増加が見込まれています。堅調な雇用がインフレの鈍化を阻害するという見方もありますが、RBAが7日に変更した見通しを再考させる一因にもなりますので注意が必要でしょう。

豪ドル/円のテクニカル分析

今週の豪ドル/円は①基準線を転換線が下抜け、②遅行線がローソク足の下、③ローソク足が雲下限の下、と三役逆転が発生し売りシグナルが点灯しました。雲の下限をなかなか上抜けられないと次第に強いレジスタンスとして意識されるようになるので注意が必要です。上抜けた場合は今週の高値(3/6)の91.94円前後が意識されるのではないでしょうか。一方で、下値は年初来安値となる87.42円前後が目途として意識されやすい水準となりそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:87.50-92.00、NZD/JPY:81.50-85.50

3/13 週のイベント:

03/14 (火) 08:30 豪 3月ウエストパック消費者信頼感指数
03/14 (火) 09:30 豪 2月NAB企業景況感指数
03/15 (水) 06:45 NZ 10-12月期四半期経常収支
03/15 (水) 11:00 中国 2月小売売上高
03/15 (水) 11:00 中国 2月鉱工業生産
03/16 (木) 06:45 NZ 10-12月期四半期国内総生産(GDP)
03/16 (木) 09:30 豪 2月新規雇用者数
03/16 (木) 09:30 豪 2月失業率

一言コメント:

最近、急速に暖かくなってきました。そろそろお花見のシーズンですね。東京の都立公園では4年振りにお花見宴会が解禁されるそうです。私も「花見をしながらBBQしたいな~」と思う今日この頃です。とりあえず、近所の桜が奇麗なところに散歩でも行こうと思います。

 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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