主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年2月28日9時10分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼27日(月)の為替相場
(1):植田次期日銀総裁候補、発言
(2):米耐久財受注、予想を下回る
(3):北アイルランド問題、合意
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:月末に絡むリバランスに注意/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
27日(月)の為替相場
期間:27日(月)午前7時00分~28日(火)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):植田次期日銀総裁候補、発言
次期日銀総裁候補の植田氏は参院議院運営委員会による所信聴取で「現在の日銀が行っている金融政策は適切」「今後も情勢に応じて工夫を凝らしながら金融緩和を継続することが適切」「現在の共同声明の考え方は適切であり、直ちに見直しの必要はない」などと発言。24日の衆院聴取とおおむね同内容だったため市場の反応は限定的だった。
(2):米耐久財受注、予想を下回る
米1月耐久財受注は前月比-4.5%と予想(-4.0%)を下回る落ち込みとなった。これを受けて米長期金利が低下するとドル/円は一時136円台を割り込んだ。ただ、変動の激しい輸送用機器を除いた1月耐久財受注は前月比+0.7%と予想(+0.1%)を上回ったためドル売りに勢いはなかった。
(3):北アイルランド問題、合意
スナク英首相とフォンデアライエン欧州委員長が会談を行い、英領北アイルランドの国境を巡る物流規制について合意したと伝わった。これによって、英国の欧州連合(EU)離脱=Brexit後も維持されている英EU間の関税ゼロの貿易が一部停止になるといったリスクは当面回避されるとの見方からポンドとユーロが上昇した。
27日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:月末に絡むリバランスに注意
昨日のドル/円は上昇一服。朝方に136.55円前後へ上昇して約2カ月ぶりの高値をわずかに更新したもののドル買いは続かなかった。その後、米1月耐久財受注の下振れを受けて一時136円台を割り込むなど、NY市場でもドルの上値は重かった。もっとも、下値では押し目買いが入り136円台前半へと値を戻して前日比0.2%安で取引を終えた。
足元のドル高・円安トレンドに変化はないと見るが、本日は月末最終日とあって上値を試す展開にはなりにくそうだ。月末に絡むリバランス(投資資金の再分配)はドル売りに傾くとの試算も出ている。こうした実需などの月末フローに左右される展開になりやすいと見られ、9時55分の東京仲値や25時のロンドン・フィキシングの前後などは、一時的に値動きが荒くなる可能性もある。
注目の経済指標:米消費者信頼感指数
注目のイベント:米要人発言
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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