主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年1月30日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼27日(金)の為替相場
(1):東京都区部1月CPI 1981年5月以来の高い伸び
(2):豪10-12月期PPI 7-9月期から鈍化
(3):日銀 1月31日に共通担保オペ実施と通告
(4):米12月PCE 予想一致で一時ドル売り優勢
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:FOMC待ちでレンジ推移か/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
27日(金)の為替相場
期間:27日(金)午前7時10分~28日(土)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):東京都区部1月CPI 1981年5月以来の高い伸び
東京都区部1月消費者物価指数(CPI、除生鮮食)は前年比+4.3%と予想(+4.2%)を上回り、1981年5月以来、41年8カ月ぶりの高い伸びとなった。日銀の緩和修正を巡る思惑が強まり、一時円が強含んだ。
(2):豪10-12月期PPI 7-9月期から鈍化
豪10-12月期生産者物価指数は前年比+5.8%と7-9月期の+6.4%から鈍化。なお、7-9月期は1998年の統計開始以来で最も高い伸びだった。
(3):日銀 1月31日に共通担保オペ実施と通告
日銀は「1月31日に5年物の共通担保資金供給オペレーションを実施する」と通告。日本10年債利回りが0.4%台後半へ上昇して、日銀の許容上限である0.50%に再び近付いたことで、金利を抑え込む姿勢を改めて示した。これを受けてやや円売りが優勢となった。
(4):米12月PCE 予想一致で一時ドル売り優勢
米12月個人消費支出(PCE)は前月比-0.2%、同PCE物価指数(デフレーター)は前年比+5.0%、食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターは前年比+4.4%と、いずれも予想と一致した。米国のインフレ減速を確認する結果となったことから、一時ドル売りが優勢となった。
27日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:FOMC待ちでレンジ推移か
27日のドル/円は終値ベースで約0.3%下落。1月の東京都区部消費者物価指数が予想を上回る伸びとなったことを受けて日銀の緩和修正観測が強まると129.50円前後まで売りが先行した。その後、130円台前半に値を戻す場面もあったが、米12月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が鈍化したことから再び129円台半ばまで軟化した。
ただ、PCEデフレーターの鈍化が市場予想通りだったこともあってドルの下値は限られた。市場の関心は、明日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)に向っている。
FOMCでは、利上げのペースを一段と減速させるとの見方が大勢。一方で、年内の利下げ転換を見込む市場に対して強くけん制するとの警戒感もくすぶっている。FOMCを前に市場の動意は限られそうだ。ドル/円は129円台前半のサポートと130円台半ばのレジスタンスが依然として有効と見られる。
注目の経済指標:独10-12月期GDP・速報値
注目のイベント:日銀国債買入れオペ
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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