主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年11月16日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼15日(火)の為替相場
(1):日本GDP 予想に反してマイナス成長
(2):英失業率 4カ月連続で48年ぶり低水準
(3):独ZEW景況感期待指数 予想を上回る
(4):米PPI発表 ドル円は137円台へ急落
(5):ウクライナ情勢 一段の悪化懸念
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:今年上げ幅の38.2%押しが下値支持/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
15日(火)の為替相場
期間:15日(火)午前7時10分~16日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):日本GDP 予想に反してマイナス成長
日本7-9月期国内総生産(GDP)・一次速報は前期比年率-1.2%と予想(+1.2%)に反してマイナス成長となった。
(2):英失業率 4カ月連続で48年ぶり低水準
英10月失業率は4カ月連続で48年ぶり低水準の3.9%となった。同新規失業保険申請件数は0.33万件増(前回0.39万件増)だった。また、7-9月のILO失業率は3.6%(予想3.5%)、7-9月の週平均賃金は前年比+6.0%だった(予想+5.9%)。
(3):独ZEW景況感期待指数 予想を上回る
独11月ZEW景況感調査の期待指数は-36.7と予想(-51.0)を上回り、前月(-59.2)から持ち直した。ZEW所長は「インフレ率がまもなく低下するという期待が持てる。そうなれば欧州中銀(ECB)は金融政策に強くブレーキをかける必要がなくなるだろう」との見解を示したものの、「独経済の見通しは依然としてネガティブである」との見解を示した。同時に発表されたユーロ圏11月ZEW景況感調査は-38.7だった(前回-59.7)。
(4):米PPI発表 ドル円は137円台へ急落
米10月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.2%、前年比+8.0%と予想(+0.4%、+8.3%)を下回った。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPPIは前年比+6.7%だった(予想+7.2%)。前週の米10月消費者物価指数(CPI)に続いてPPIも鈍化したことで米国のインフレがピークアウトしたとの見方が広がった。米利上げペースの減速が改めて意識されドル売りが強まると、ドル/円は8月29日以来の安値となる137.67円前後まで急落した。ただ、ストップロスを巻き込んだと見られるドル売りが一巡すると、すぐに139円台に切り返すなど荒い値動きとなった。
(5):ウクライナ情勢 一段の悪化懸念
「ロシアのミサイルが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドに着弾し、死者が出た」との報道が伝わった。ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念され、ユーロ売りが強まるとユーロ/円は143.35円前後まで急落した。
15日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:今年上げ幅の38.2%押しが下値支持
昨日のドル/円は値動きの荒い展開。東京市場では140.62円前後まで上昇したが、欧州市場に入ると一転してドル売りに傾き140円台を割り込んだ。
NY市場では米10月生産者物価指数(PPI)の鈍化を受けて137.67円前後まで急落したが、すぐに139円台へ切り返すなど乱高下。終値は前日比0.4%安の139.34円前後だった。米10月PPIが予想以上に鈍化したことで米長期金利は幅広い年限で低下。改めて米国のインフレピークアウトと利上げペースの減速が意識されている。
こうした中、ドル/円は本日も上値の重い展開となりそうだ。140円台に近付けば戻り売りが優勢となろう。一方、昨日137円台の安値を付けたことで下値模索の動きは一服する可能性がある。年初来の上げ幅の38.2%押しにあたる137.24円前後は強い下値支持になると考えられる。
注目の経済指標:米10月小売売上高
注目のイベント:BOE・ECB総裁講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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