シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート10万枚超え】
10月25日時点で円のポジションは、ドルに対して10.3万枚の売り越し(ネットショート)。
ロング・ショートともに積み増されたものの、ショートが大幅に積み増されたことから、ネットショートは前週から0.8万枚増加して5月以来の高水準となった。
期間中のドル/円相場は1990年7月以来の高値となる151.94円前後まで上昇したものの、政府・日銀による円買い介入と見られる動きによって一時145.45円前後まで下落した。
投機筋は、介入ではドル高・円安トレンドを変えることはできないとの見方を強めているようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットロング大幅増加】
10月25日時点でユーロのポジションは、ドルに対して7.5万枚の買い越し(ネットロング)。
ロングが大幅に積み増され、ショートが取り崩されたことから、ネットロングは前週から2.7万枚増加。
期間中のユーロ/ドル相場は、特筆すべき買い材料はなかったものの約1カ月ぶりに0.9977ドル前後まで上昇した。
投機筋によるユーロ買い(ロングの積み増しとショートの巻き戻し)がユーロ/ドルの上昇を主導したようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットショート減少】
10月25日時点でポンドのポジションは、ドルに対して4.8万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが積み増されたことから、ネットショートは前週から0.3万枚の減少。
期間中のポンド/ドル相場は、英国の首相にスナク元財務相が就任し、財政不安が和らぐとの見方から1.1499ドル前後まで上昇した。
これにより、投機筋の間でポンドの先安観がやや後退したようだ。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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