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FX/為替「ドル/円、3円近い急反発でひとまず底入れ」 外為トゥデイ 2022年8月3日号

外為トゥデイ

主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。

作成日時 :2022年8月3日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也

目次

▼2日(火)の為替相場
(1):豪住宅建設許可件数 予想を大幅に上回る
(2):RBA理事会 豪ドル売り優勢
(3):米下院議長 台湾訪問
(4):複数のFRB高官発言 ドル/円上昇

▼2日(火)の株・債券・商品市場

▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:円高方向への揺り戻しを警戒/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント

2日(火)の為替相場

期間:2日(火)午前6時10分~3日(水)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム

(1):豪住宅建設許可件数 予想を大幅に上回る

豪6月住宅建設許可件数は前月比-0.7%となり、予想(-5.0%)を大幅に上回った。ただ、ペロシ米下院議長の台湾訪問を巡る米中対立への懸念からアジア株が下落する中、豪ドルの上値は重かった。

(2):RBA理事会 豪ドル売り優勢

豪中銀(RBA)は予想通りに政策金利を50bp(0.50%ポイント)引き上げ1.85%とすると発表した。声明で「ここ数カ月の金利引き上げはインフレ率を目標値に戻し、豪経済においてより持続可能な需給バランスを作り出すために必要なもの」と説明。今後については「金融正常化に向けた取り組みとして、今後数カ月さらなる措置を講じる」と利上げ継続の考えを示した。一方で「将来の金利引き上げの規模とタイミングは、今後のデータとインフレや労働市場の見通しに関する理事会の評価によって決定する」として、利上げの道筋があらかじめ決まっていないことを示唆した。また、豪経済について「今年も力強い成長を続け、その後成長ペースが鈍化すると予想」と初めて景気の鈍化について言及。声明は予想よりもハト派的と受け止められたことで豪ドル売りが優勢となった。

(3):米下院議長 台湾訪問

ペロシ米下院議長は台湾に訪問し、「米国は一方的な現状変更の取り組みに反対する」との声明を発表。これに対し中国外務省は「ペロシ議長は中国の強烈な反対と厳正な申し入れにもかかわらず台湾を訪問し『1つの中国』の原則に著しく違反し、両国関係の政治的な基礎に深刻なダメージを与えた。中国は断固反対するとともに厳重に非難する」と激しく反発。その上で、台湾周辺でミサイル試射などの軍事演習を実施すると発表した。

(4):複数のFRB高官発言 ドル/円上昇

メスター米クリーブランド連銀総裁は米国の景気について「我々はリセッション(景気後退)に陥っているとは思わない」とした。一方でインフレについては「全く落ち着いていない」との認識を示し「米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制にコミットしている」と述べた。これより前にエバンズ米シカゴ連銀総裁は9月の会合について「50bp利上げは合理的だが75bpでも問題ない」「12月までには3.25-3.5%の金利目標に到達するのは合理的」と発言。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁も「FRBのインフレ対策は終了から程遠い」として市場の利上げペース鈍化観測をけん制した。これらを受けて米長期金利が上昇する中、ドルを買い戻す動きが活発化。ドル/円はその後133円台を回復した。クロス円は、米国株が軟調に推移したためやや上値が重かったが、ドル/円の上昇に支えられて強含んだ。

2日(火)の株・債券・商品市場

外為注文情報

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  • ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

 

本日の見通し

ドル/円の見通し:円高方向への揺り戻しを警戒

昨日のドル/円は2カ月ぶりの130円台前半まで下落したのち133円台前半へと急反発。台湾情勢を巡る米中対立への懸念からアジア株が軟調に推移する中、一時130.38円前後まで下落したが、NY市場では133.16円前後まで急激に上昇した。

サンフランシスコ連銀総裁やクリーブランド連銀総裁、シカゴ連銀総裁ら米連邦準備制度理事会(FRB)高官から利上げ継続を示唆するタカ派発言が相次いだことを受けて米長期金利が急伸する中、ドルを買い戻す動きが強まった。夏休みシーズンの薄商いの中で値が振れやすかったとはいえ、ドル/円相場は昨日の大幅反発でひとまず底入れしたと見られる。

本日は反発余地を探る展開となりそうだ。134.10円台の日足一目均衡表の転換線が上値ターゲットとなろう。もっとも、昨日台湾に到着したペロシ米下院議長は本日中に蔡英文台湾総統と会談を行う予定とされており、中国の反発は必至と見られる。アジア市場は台湾絡みの報道による円高方向への揺り戻しにも一定の警戒が必要だろう

注目の経済指標

注目のイベント

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役 調査部長 上席研究員
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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