主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2022年6月2日9時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼1日(水)の為替相場
(1):豪GDPは予想を上回る
(2):ECBの早期利上げ観測を背景にユーロ堅調
(3):米ISM製造業を受けドル買い強まる
(4):ベージュブック公表
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:20年ぶり高値が射程圏に/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
1日(水)の為替相場
期間:1日(水)午前6時10分~2日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):豪GDPは予想を上回る
豪1-3月期国内総生産(GDP)は前期比+0.8%、前年同期比+3.3%となり、10-12月期から減速したものの市場予想(+0.7%、+3.0%)を上回った。一方、中国5月財新製造業PMIは48.1と前月から上昇したものの市場予想(49.0)を下回った。
(2):ECBの早期利上げ観測を背景にユーロ堅調
インフレ高進と欧州中銀(ECB)の早期利上げ観測を背景に独長期金利が上昇する中、ユーロ買いが優勢となった。これより前に発表された独5月小売売上高は前月比-5.4%と予想(-0.5%)以上に落ち込んだが材料視されなかった。なお、その後ホルツマン・オーストリア中銀は「記録的なインフレは50bp利上げの必要性を支持している」と主張した。
(3):米ISM製造業を受けドル買い強まる
米5月ISM製造業景況は56.1と市場予想(54.5)に反して前月(55.4)から上昇。構成指数の中では新規受注が55.1に上昇したのが目立った(前回:53.5)。これを受けて米長期金利が上昇するとドル買いが加速した。米4月JOLT求人件数が1140.0万件と予想(1135.0万件)を上回った事もドル買いを後押しした模様。
(4):ベージュブック公表
米連邦準備制度理事会(FRB)は地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表。大半の地区で「強い物価上昇が続いた」「雇用が緩やかに拡大した」と報告されたが、「4地区は、前回の調査以降に成長ペースが減速したと明確に指摘した」ことが明らかになった。
1日(水)の株・債券・商品市場
外為注文情報
【情報提供:外為どっとコム】
- ※ 「外為注文情報」とは、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況を確認できるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(無料)では「取引分析」 を選択することで、チャート上に注文情報の表示が可能です。
- ※ 尚、この外為注文情報は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。
本日の見通し
ドル/円の見通し:20年ぶり高値が射程圏に
昨日のドル/円は130円台を回復して続伸。東京市場で129円台に乗せると欧州市場では129円台後半へと強含んだ。NY市場では米5月ISM製造業景況指数が予想外の好結果となった事で、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化。一気に130.19円前後まで上伸して5月11日以来の高値を付けた。節目の130.00円をあっさり上抜けた事で、5月9日に付けた約20年ぶり高値の131.35円前後が射程圏内に入ってきた。
ただ、明日には米5月雇用統計の発表が予定されている事から、市場は徐々に様子見ムードに傾く可能性が高い。130円台では上昇ピッチがやや鈍りそうだ。
注目の経済指標
注目のイベント
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。