ドル・円は伸び悩みか、米FRBの引き締め観測も株安が重石に

欧米市場オープニングコメント

「ドル・円は伸び悩みか、米FRBの引き締め観測も株安が重石に」
　1日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米バイデン政権のインフレ抑止の方針から連邦準備制度理事会（FRB）の引き締めに思惑が広がり、金利高・ドル高の流れ。ただ、欧米株式がさえない動きとなった場合、リスク回避の円買いが増えることでドルの上値は重くなりそうだ。
　5月31日発表された米経済指標では、消費者信頼感指数や住宅関連統計はおおむね予想を上回り、景気回復持続への思惑から米10年債利回りは上昇し、ドル買いが強まった。ユーロ・ドルは1.0670ドル台に失速し、ドル・円は128円90銭付近に浮上。本日アジア市場も米金利高に振れ、ドル・円は129円台に浮上した。一方、中国・上海でのロックダウン解除を受け、経済の持ち直しを期待した円売りが主要通貨を支えた。この後の海外市場は、主要中銀の政策姿勢がテーマ。米バイデン政権はインフレ抑止の意向に変わりはなく、FRBは引き締め方針を堅持するとの見方から、金利先高観でドル買いに振れやすい。ただ、欧州中央銀行（ECB）の早期引き締め観測が続き、ドルの上昇を抑制する要因となろう。一方、各国中銀のタカ派的なスタンスで株安に振れれば、リスク回避の円買いが想定される。ドルは利益確定売りも見込まれ一段の上昇は阻止されるとみる。

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