シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ドル/円
円ネットショート再び10.0万枚超となる
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットショートへ転じる
▼IMMポジション ポンド/ドル
ポンドネットショート2年半ぶり水準に増加
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート再び10.0万枚超となる】
5月3日時点で円のポジションは、ドルに対して10.1万枚の売り越し(ネットショート)。
ショートが積み増されたことから、ネットショートは前週から0.5万枚増加。
期間中のドル/円相場は、日銀が指値オペをほぼ毎営業日実施すると発表したことから一時131.25円前後まで上昇した。
再び日米金融政策の方向性の違いが強く意識される中、投機筋の円売りがドル/円相場を約20年ぶりの高値に押し上げたようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットショートへ転じる】
5月3日時点でユーロのポジションは、ドルに対して0.6万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが取り崩され、ショートが積み増されたことから、約4カ月ぶりにネットショートへ転じた。前週は2.2万枚のネットロングだった。
期間中のユーロ/ドル相場は、EUがロシア産原油の禁輸を支持する準備があると報じられたことから、5年4カ月ぶりの安値水準である1.0471ドル前後まで下落した。
ユーロ圏経済の先行き不透明感が強まったことから、投機筋は一気にユーロ弱気に傾いたようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットショート2年半ぶり水準に増加】
5月3日時点でポンドのポジションは、ドルに対して7.4万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングの取り崩し度合いが大きかったことから、ネットショートは前週から0.4万枚増加。
期間中のポンド/ドル相場は、英国のスタグフレーション(不況下の物価高)を巡る懸念が強まる中、1.25ドルを割り込んで下落した。
ポンドネットショートポジションは2019年10月以来の水準へと増加しており、投機筋の間でポンド相場に対する先安観が強まっている。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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