豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・豪2021年第4四半期 消費者物価指数(CPI)は前年比+2.6%(トリム平均)と豪中銀(RBA)の目標レンジ(2~3%)の中央値を突破。
・RBAがCPIのほかに注視するのが賃金指数。この賃金の伸びが前年比3%を超えるのをRBAは目安にしている。2021年第4四半期前年比+2.3%(最新)。
・3月1日のRBA理事会、政策金利は0.10%で据え置き。近い将来の利上げは示唆せず。
次回会合は4月5日(火)
・「あと2回四半期CPIを見てインフレ高進の持続を確認したい」(ロウRBA総裁 2月11日の議会経済委員会での発言)。
・ウクライナ情勢への侵攻を受けて、ロシアはSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除される。西側諸国は次々と金融制裁を実施し、ロシアはデフォルト懸念台頭。
・「キャッシュレートの年内引き上げは理にかなうと思う」(ロウRBA総裁 3月9日発言)。
・中国、一部都市ロックダウンにより景気回復に遅れの可能性浮上。上海市は当初予定していた4月5日以降もロックダウン継続。
・中国は景気浮揚策を打ち出す方針。
・2月分の豪雇用者数は7.74万人増と大幅増。失業率は4.0%と2008年2月、同年8月に並ぶ13年ぶりの低水準(統計開始史上最低)。
・WTI原油価格は米国が戦略石油備蓄の放出を決定したことから、一時1バレル=97ドル台まで下落。(4月1日)。
・日銀は4-6月の国債買入れの増額を発表。
今日のメインシナリオ
豪ドル/円、材料不足で小動き?明日のRBA理事会は無風予想。
本日は注目の経済指標もなく、豪ドル/円は方向感が出にくい1日となりそう。その中で、4月1日の米雇用統計の好結果を受けて米利上げ観測が強まっており、この期待が米ドル/円を支える材料となる。また日銀の金融緩和政策の長期化は一定の円売り材料となる。これらの影響により豪ドル/円は底堅い動きとなりそうだ。一方、中国では上海では新型コロナオミクロン株の感染拡大が収まっていないことから、当初4月5日までの予定だったロックダウンが延長されることとなった。豪と交易関係の強い中国の停滞は豪ドルにとってはネガティブ要因となるため、豪ドル/円は上値も限定的となりそうだ。
明日に予定されているRBA理事会(金融政策決定会合)については、市場は様子見(Unchange)を織り込んでいるため、材料にはならなそうだ(※詳しくは「週刊為替レポート ハロンズ 豪ドル/円、NZドル/円 2022年04月02日」で)。
個別の想定シナリオ
■米雇用統計の好結果
⇒米利上げ期待過熱
⇒米ドル/円は底堅い
⇒豪ドル/円も米ドル/円の影響を受け底堅い
チャート分析
今後の注目材料
コモディティ価格動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに大雨となっている。豪ドル/円の移動平均、豪ドル/米ドルのMACDで8時に売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
<「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」 詳細はこちら>
- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
- ※また、高機能チャート(パソコン版)/(スマホ版)では「取引分析」 を選択することで、外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』でお取引をされているお客さまの指値やストップ注文の状況をチャート上に表示が可能です(「外為注文情報」)。
- ※ なお「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」や、「外為注文情報」は情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家ご自身でなさるようお願い致します。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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