欧米市場オープニングコメント
「ドル・円は小じっかりか、米FRBの追加利下げ観測の後退で」
10月1日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。来週開催の米中貿易協議に向け進展期待が高まり、円売り方向に振れやすい見通し。また、米国の底堅い経済指標で今月末の追加利下げへの思惑が弱まればドル買い基調が継続しそうだ。
米トランプ政権が中国企業の米国での上場廃止を検討しているとの報道に関し、ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長が「フェイク・ニュース」と指摘。それにより来週から開催される閣僚級の米中貿易協議への警戒は和らぎ、リスク選好的なムードが広がっている。ドル・円は前日の海外市場で108円前半に浮上し、本日のアジア市場では緩やかに値を上げる展開になった。アジア市場は中国市場の国慶節に伴う休場で薄商いだが、今朝発表された日銀短観が底堅い内容となり、日本株高を背景に円売りに振れやすい。また、日銀による予防的な金融緩和を意識した円売りも観測された。
この後の海外市場ではドル買い基調が維持される見通し。18時発表のユーロ圏の消費者物価指数(CPI)速報値は前回並みと予想されるが、ドイツの伸び鈍化で下振れの可能性があろう。その際にはユーロ・ドルが下値を模索する展開となり、ドルを押し上げる要因に。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副総裁とボウマン理事のハト派2氏による慎重な見解が、ドル買いを抑えよう。ただ、23時の米9月ISM製造業景気指数は、経済活動の拡大・縮小の節目となる50を回復する公算。前回の弱い内容から改善が示されれば、追加利下げへの思惑は弱まり、ドル買いに振れるとみる。
通貨別分析
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