欧米市場オープニングコメント
「ドル・円は伸び悩みか、米中協議の不透明感で108円台は売り」
30日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。月末、四半期末のフローにより売り買い交錯で方向感は出にくい見通し。ただ、米中貿易交渉の先行き不透明感から108円台ではドルの下押し圧力が観測され上昇は限定的となりそうだ。
週明けのアジア市場では、午前中に発表された中国経済指標のうち製造業PMIが49.8と、経済活動の拡大と縮小の境目となる50を5カ月連続で下回ったが、前回からはやや反発した。その後の財新製造業PMIは51.4と約1年半ぶりの高水準となり、製造業の改善を裏付けた。一方、トランプ米大統領は自身のツイッターで中国企業の米国市場での上場に否定的な見解を示したことで、米中貿易交渉への先行き不透明感からややリスク回避的な円買いに振れやすい地合いが続く。ただ、ユーロ・ドルの弱含みが続いている影響で、ドル・円は107円後半で底堅い値動きとなった。
この後の海外市場で、ドル・円は108円台回復の可能性はあるが、上昇は限定的となる見通し。21時発表のドイツの9月消費者物価指数(CPI)速報値は伸び鈍化が予想され、欧州中央銀行(ECB)の追加緩和観測を背景としたユーロ売りで、ドルは下げづらい展開となろう。足元では米当局者による景気認識は強気な見方が示され、現時点で10月末の追加利下げ観測は後退しドル売りは想定しにくい。ただ、9月17-18日の連邦公開市場委員会(FOMC)以降はドル買いが縮小し、108円台では上値の重さを嫌気した売りが続きそうだ。そのため、株価や長期金利の上昇が限定的ならドル買いは抑制されよう。
通貨別分析
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