
今のトルコリラは買い?売り? 最新の価格と市場の全体像
11月15日朝の時点で、トルコリラ円はおよそ3.66円、ドルに対するトルコリラは42.26〜42.33の範囲で取引されており、過去の最安値圏で弱い動きが続いています。
物価上昇のペースが少し落ち着いてきたため、トルコの中央銀行は利下げを再開しました。しかし、国内の政治的な不安が大きな影を落としており、リラの価格が回復しにくい状況です。特に、政権と対立する有力な政治家に対して「最長2430年の禁錮刑」という非常に重い刑罰が求刑されたとの報道が、市場の警戒感を強めています。
トルコリラ下落の元凶?「禁錮2430年」報道が市場を揺らす政治リスク
トルコの最大野党に所属する有力政治家(イスタンブール市長のイマモール氏)をめぐり、最長2430年という、現実離れした重い刑罰が求刑されていることが報じられました。
このようなニュースは、海外の投資家たちを「トルコへの投資は危険かもしれない」と慎重にさせます。その結果、トルコにお金が流れ込みにくくなり、リラが売られやすくなる(リラ安)大きな原因となります。たとえ中央銀行が経済を安定させようと努力していても、政治の先行き不透明感が、通貨の価値を押し下げる重しになっているのが現状です。
トルコ中銀の次の一手は?利下げは続くのか【次回会合は12月11日】
トルコ中央銀行は、10月23日に政策金利を40.50%から39.50%へと引き下げました。これは、物価上昇(インフレ)の勢いが少し弱まってきたことを受けての判断です。
ただし、声明では「金融政策は会合ごとに状況を見て慎重に判断する」としており、もし再びインフレが悪化するようなことがあれば、金融引き締め(利上げ)に転じる可能性も残しています。次回の重要な金融政策会合は12月11日に予定されています。
物価上昇はピークアウト?最新の経済指標をチェック
10月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で32.87%の上昇、前の月との比較では2.55%の上昇でした。9月時点の数字よりは、上昇のペースがやや鈍化しています。
食料品や衣料品などの価格変動の影響もありますが、全体としては「高止まりしていたインフレが、わずかに落ち着きの兆しを見せ始めた」段階と言えます。このため、中央銀行は「金融緩和を急ぎすぎない」という慎重な姿勢で、今後の物価の動向を注意深く見守っています。
トルコの外貨事情は大丈夫?カギを握る「外貨準備」と国民の「ドル化志向」
- 外貨準備高とその「質」:
トルコが保有する外貨準備は約1,897億ドル規模です。しかし、大切なのはその中身です。見かけの金額だけでなく、「その外貨はどのようにして得たのか(借金で賄っている分はどれくらいか)」という「質」も見る必要があります。 - 根強い「ドル化」の傾向:
トルコ国内の個人や法人が保有する外貨預金は約2,470億ドルと非常に高い水準にあります。これは、多くの国民が自国通貨のリラよりも、価値の安定している米ドルなどで資産を持ちたがっていることの表れです(これを「ドル化」と呼びます)。この傾向が、リラの価格が上がりにくい根本的な原因の一つとなっています。 - 政府の新たな一手:
これまで政府は、リラ安を防ぐために「為替連動型預金(KKM)」という特別な預金制度を導入していましたが、その新規受付と更新を停止しました。これは、特別な仕組みに頼らず経済を正常化しようという中長期的には良い動きですが、短期的にはお金の流れが変わる過程で相場が不安定になる可能性もあります。
市場の雰囲気:「経済政策への評価」VS「政治への不安」
海外の格付け会社は、この1年ほどのトルコ政府による「経済政策の正常化」に向けた取り組みを評価し、少しずつ見方を改善しています。
一方で、政治的な不安が再び高まると、こうしたポジティブな評価の流れも止まりがちになり、相場は非常に神経質になります。現在はまさに、「信頼を取り戻しつつある経済政策」と「市場の足を引っ張る政治ノイズ」とが綱引きをしている状態です。
【今後のシナリオ】トルコリラの未来を左右する条件
- 基本シナリオ:インフレがこのまま少しずつ落ち着いていく限り、小刻みな利下げが続くというのが基本的な見方です。ただし、政治の混乱が激しくなり、リラ安が加速すると、輸入品の価格が上がって再びインフレ懸念が強まるという悪循環に陥る可能性があります。その場合は、利下げがストップされたり、一時的に利上げに転じたりすることも考えられます。
- 相場の見通し:年末にかけて、ドルに対するトルコリラ(USD/TRY)は弱い動きが続きやすいと見られます。しかし、格付けがさらに改善されたり、予想以上に物価が落ち着いたりといった良いニュースが出れば、リラ安の流れが少し和らぐ可能性もあります。
【まとめ】トルコリラ投資で失敗しないための3つの重要ポイント
- 政治リスクは価格を大きく動かす。
特に「最長2430年の禁錮刑」のような衝撃的なニュースは、海外からの投資を遠ざけ、リラが上がりにくくなる最大の要因です。 - インフレと金利の関係に注目。
インフレの落ち着きが続けば、小刻みな利下げが見込まれます。しかし、再び物価が上昇し始めれば、金融政策が180度転換する可能性があります。 - 国民の「リラ離れ」は根深い。
国内で外貨を保有する傾向が強いということは、日常的にリラが売られやすい地盤があるということです。政府の制度変更が、短期的には相場の変動要因になることにも注意が必要です。
直近の注目イベントカレンダー
- 12月11日(木): トルコ中銀 政策金利決定(声明文は12月18日の予定)
テクニカル分析 - TRY/JPY日足チャートの詳細解説(2025年11月18日時点)

現在のトルコリラ円の日足チャートは、上値が3.66円あたりで抑えられている一方で、下値は少しずつ切り上がっているという特徴があります。これは「上向きの三角形(アセンディングトライアングル)」と呼ばれる、上昇を示唆しやすい形に近づいています。
相場の勢いを示すRSI(9)という指標は、50台の半ばから後半にあり、「過熱感はないものの、上昇圧力の方がやや強い」状態を示唆しています。
【重要】価格の壁となる「抵抗線」と「支持線」
- 上値抵抗線(レジスタンス): 最初の関門は3.66円の壁。ここを突破すると、次の目標は3.69円、そして心理的な節目である3.70円前後が見えてきます。
- 下値支持線(サポート): まずは10日移動平均線がある3.64円台。次に3.60円。ここを割り込むと、3.55円あたりまで下落する可能性があります。
今後の値動き予測:上昇パターンと下落パターン
- A. 上昇継続パターン(可能性が高い)
終値で3.66円を明確に超えてくると、上向きの三角形を上にブレイクした形となり、上昇に勢いがつく可能性があります。その場合の目標価格は、まず3.69円〜3.70円あたりが現実的なターゲットとなります。 - B. 上昇失敗・反落パターン(次に考えられる)
3.66円の壁を何度も超えられずにいると、失望感から売られやすくなります。その場合、まずは3.63円台、さらに下落すれば3.60円を目指す展開が考えられます。
具体的な売買戦略のヒント
- 順張りで買うなら: 3.66円を終値で超えたのを確認してから、次の日に少し下がったところ(3.65〜3.66円)で買う戦略。損切りラインは3.63円を明確に割り込んだあたりに設定。
- 戻り売りを狙うなら: 3.66円〜3.69円の範囲で価格の上昇が止まったのを確認してから売る戦略。損切りラインは3.70円を上に抜けられたあたりに設定。
忘れてはいけない!テクニカル分析の注意点
トルコリラ円の価格は、「ドル/トルコリラ」と「ドル/円」の掛け算で決まります。チャート分析は有効ですが、トルコの政治ニュースや、ドル円相場の急変によって、予測が全く効かなくなることもあります。どのような状況になっても対応できるよう、取引を始める前に「損切りする価格」を必ず決めておくことが非常に重要です。
トルコリラと金価格の関係
トルコリラの継続的な下落とトルコ国内での高インフレは、国内の金(ゴールド)需要を大幅に増加させ、これが結果的に世界的な金価格の上昇に間接的に寄与していると言える。
- インフレヘッジとしての金需要: トルコ国内では、長期にわたるトルコリラの価値下落と深刻なインフレを受け、人々が実物資産である金をインフレヘッジ(物価上昇による資産の目減りを防ぐための投資)として購入している。
- トルコ中央銀行による金の買い増し: 民間だけでなく、トルコ中央銀行も外貨準備を安定させるために金を積極的に買い増しており、世界でも有数の金の買い手となっている。
- 国際的な金需要への影響: トルコ国内の旺盛な金需要は、世界の金市場に影響を与えるほどの規模に達している。例えば、2023年第2四半期には、トルコの投資需要が世界の金地金・金貨需要の17%を占め、他国の需要減速を相殺する役割を果たした。
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