このレポートでは、トルコリラと日本円との為替レートの動き、トルコリラの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 宇栄原宗平
X(Twitter): https://twitter.com/gaitamesk_ueha
動画でチャートを解説
動画の概要、まとめ
1. トルコリラへの投資需要が高まっている背景
- 2023年9月頃からインフレ率が50%を下回り、実質金利がプラスに転換
- 実質金利とは政策金利からインフレ率を差し引いた値で、これがプラスであることが重要
- 例:金利50%、インフレ50%の場合、100円が1年後に150円になるが、物価も同じく1.5倍になるため実質的な利益はゼロ
- 現在は政策金利45%に対してインフレ予想が約41%であり、実質金利のプラス状態が維持される見込み
2. トルコの経済政策における重要な変化
- エルドアン大統領が以前の低金利選好から方針転換
- トルコ政府とトルコ中央銀行が協調して本格的なインフレ抑制策を実施
- 財政政策と金融政策の両面から経済立て直しを図る姿勢
- 市場からトルコの政策転換の本気度が好意的に評価されている
3. 市場動向と今後の注目ポイント
- 為替相場はレンジ相場の様相を呈している
- 円高傾向の影響で若干の下げ基調だが、下落幅は10銭程度と限定的
- 昨年の下落幅は6-7%程度まで縮小しており、スワップポイントで相殺可能なレベル
- 来週の重要イベントとしてCPI発表に注目が集まる
- 実質金利のプラス維持が投資需要継続の重要な指標
4. らくつむ(らくらくFX積立、自動で外貨積立するサービス)の詳細な特徴と活用法
- スマートフォン専用アプリによる簡単な操作
- 通貨ペア、買付金額、レバレッジ、買付頻度を自由に設定可能
- 個人口座は最大レバレッジ3倍、法人口座は1倍まで設定可能
- 定期買付機能により自動的にドルコスト平均法が実現
- 例示された運用例:毎日3,000円分を自動買付
- 既存のFX口座からの資金移動も簡単に実行可能
5. 長期投資における戦略的メリット
- ドルコスト平均法により為替変動リスクを軽減
- 安値時には多く、高値時には少なく自動的に購入することで平均単価を平準化
- 通常のFX取引と分けて管理することで運用の効率化が可能
- スワップポイントを目的とした長期運用に特に適している
結論:
トルコリラは実質金利のプラス転換という構造変化により、特に長期投資の観点から魅力的な投資対象となっている。らくつむを活用した自動積立投資は、為替変動リスクを抑制しながら効率的な長期運用を可能にする有効なツールとして位置づけられる。ただし、引き続きトルコのCPIと政策金利の動向には注視が必要であり、マクロ経済指標の変化に応じて柔軟に投資戦略を調整することが推奨される。また、トルコの政策転換の持続性や実効性についても継続的な確認が重要となる。
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外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。

宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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