ドル円、153円台後半が底堅い…2月1日にトランプ関税発動
欧米時間のドル/円予想レンジ:153.600-155.500円
東京市場のドル/円は、底堅い展開。序盤に153.90円台へ弱含む場面もありましたが、米長期金利の上昇を背景に反発しました。午後には植田日銀総裁の発言を受けて154.90円台まで上昇しています。ただ、勢いは続かず欧州市場では154円台半ばまで失速しました。
米金利先物市場において米連邦公開市場委員会(FOMC)の次の利下げは早くて5月と見られています。そうした中で、NY市場では米12月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)が発表されます。市場予想は前年比+2.6%と前回(+2.4%)から伸びが加速すると見られています。また、FOMCが注目するコアPCEデフレーターは前年比+2.8%と高止まりする予想です。結果を受けて市場の利下げ観測に影響があるとドル/円の変動要因となりそうです。また、月末の特殊フローにより不規則な値動きが生じる可能性があります。特にロンドン・フィキシング(日本時間25時)の前後の急変に注意しましょう。
他方で、トランプ米大統領は2月1日にカナダ・メキシコに対して25%の関税賦課を発動すると表明しています。メキシコは報復関税の準備もあるとしているため引き続き関税関連の報道にも注意しておきましょう。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10日線が抵抗となり上値を切り下げる一方で80日線を支持に154.00円付近では底堅く推移しています。移動平均線内での推移が続くか、どちらかを明確に抜けて方向感を示すか注目です。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
1/31(金)
21:00 南ア1月貿易収支
22:00☆独1月消費者物価指数
22:30 カナダ11月GDP
22:30 米10-12月期雇用コスト指数
22:30 米12月個人所得
22:30 米12月個人消費支出
22:30☆米12月PCEデフレーター
22:30 ボウマンFRB理事講演
23:30 ビルロワドガロー仏中銀総裁講演
23:45 米1月シカゴ購買部協会景気指数
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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