主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年11月20日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼19日(火)の為替相場
(1):RBA議事要旨公表
(2):ロシア 核兵器の使用基準を緩和
(3):BOE総裁 年次報告
(4):米住宅着工件数は予想を下回る
(5):核戦争への懸念和らぐ
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:次第に上値が重くなりそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
19日(火)の為替相場
期間:19日(火)午前7時10分~20日(水)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):RBA議事要旨公表
豪中銀(RBA)は11月理事会の議事要旨を公表。政策金利について「引き下げと引き上げのほか、長期間にわたり据え置くシナリオをあらためて議論した」ことがわかった。シナリオの一つとして「インフレの急減速は利下げの根拠になる可能性があるが、それが持続可能であると確信するには好ましい四半期インフレ指標を複数回確認する必要がある」と指摘した。
(2):ロシア 核兵器の使用基準を緩和
ロシアのプーチン大統領が「核ドクトリン」の改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和したことが伝わると、リスク回避の円買いが強まった。ロシアの決定は、米国がウクライナに対しロシア領内への長距離ミサイル攻撃を限定的ながらも許可したことへの対抗措置。なお、ウクライナはこの日、米国から供与された長距離地対地ミサイル「ATACMS」を使用し、ロシア西部の兵器庫を攻撃した。
(3):BOE総裁 年次報告
英中銀(BOE)のベイリー総裁は、下院財務特別委員会への年次報告を行い、政府の予算案に盛り込まれた税制変更の影響を見極めるため、追加利下げを行う場合は慎重に進める必要があるとの見解を示した。総裁は、国民保険料の雇用主負担の引き上げについて「雇用コストの上昇を意味する」とし、物価の上昇や雇用の減少などにつながる可能性があると述べた。
(4):米住宅着工件数は予想を下回る
米10月住宅着工件数は年率換算131.1万件と市場予想(133.4万件)を下回った。着工件数の先行指標となる建設許可件数も年率換算141.6万件にとどまった(予想143.5万件)。
(5):核戦争への懸念和らぐ
米国のホワイトハウスは、ロシアの「核ドクトリン」改定が自国の核態勢を調整する根拠にならないと表明。これより前にはロシアのラブロフ外相が「核戦争の勃発を阻止するためにあらゆる手段を講じる」と述べたことも伝わった。これらを受けて米国とロシアの間で緊張が高まるとの懸念が和らいだ。
19日(火)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:次第に上値が重くなりそう
昨日のドル/円はほぼ横ばいの154.68円前後で取引を終えた。ロシアのプーチン大統領が「核ドクトリン」の改定を承認し核兵器の使用基準を緩和したことが伝わると153.27円前後まで下落したが、その後は持ち直した。米ホワイトハウスが米国の核態勢を調整する計画はないと表明したことなどから、ウクライナ戦争を巡る過度な懸念が和らぐとリスク回避の円買いが巻き戻されて154.80円前後まで上昇する場面もあった。なお、米国株はダウ平均こそ小幅に下落したが、ナスダックとS&P500は上昇。ロシアのラブロフ外相が「核戦争の勃発を阻止するためにあらゆる手段を講じる」と表明したこともあって、市場は米国とロシアの間で緊張が高まるリスクは小さいとの見方に傾いているようだ。このため、本日のドル/円相場への影響も小さいと考えられる。昨日の日足が下ヒゲの目立つ十字線引けとなり、20日移動平均線にサポートされたことを考えると、少なくとも下値は堅そうだ。一方、市場の関心は本日のNY市場終盤に発表される米半導体大手エヌビディアの決算に向かうと見られることから、仮にドル買い・円売りが先行しても次第に上値が重くなりそうだ。
注目の経済指標:英CPI
注目のイベント:エヌビディア決算
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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