主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2023年12月25日8時20分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼22日(金)の為替相場
(1):本邦CPIは伸びが鈍化
(2):英小売売上高は予想を上回る
(3):米PCEデフレーターが予想以上に鈍化
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:植田総裁の講演に注目/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
22日(金)の為替相場
期間:21日(木)午前7時10分~22日(金)午前6時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦CPIは伸びが鈍化
日本11月消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除いたコアベースで前年比+2.5%と市場予想通りに前月(+2.9%)から伸びが鈍化した。生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPIは前年比+3.8%だった(予想+3.8%、前月+4.0%)。
(2):英小売売上高は予想を上回る
英11月小売売上高は前月比+1.3%と市場予想(+0.4%)を大幅に上回った。変動の大きい自動車を除いた売上高も前月比+1.3%と予想(+0.3%)を上回った。一方、英7-9月期国内総生産(GDP)・改定値は前期比-0.1%に下方修正された(予想、前回ともに±0.0%)。
(3):米PCEデフレーターが予想以上に鈍化
米11月個人消費支出(PCE)は前月比+0.2%(予想+0.3%、前回+0.1%)。同PCE物価指数(デフレーター)は前年比+2.6%(予想+2.8%、前回+2.9%)、同コアPCEデフレーターは前年比+3.2%(予想+3.3%、前回+3.4%)だった。同時に発表された米11月耐久財受注は前月比+5.4%と予想(+2.3%)を大幅に上回り、変動の大きい輸送用機器を除いた受注も前月比+0.5%と市場予想(+0.1%)を上回った。
22日(金)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:植田総裁の講演に注目
22日のドル/円は一時141円台へと下落。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する米11月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+2.6%と市場予想(+2.8%)以上に伸びが鈍化した。これを受けてFRBの早期利下げ観測が強まると141.80円台へとドルが下落した。ただ、その後はクリスマス休暇を控えて米債の売り戻し(長期金利が反転上昇)とともにドルを買い戻す動きが強まり142.60円台に反発。前日比30銭あまりドル高・円安の142.43円前後で取引を終えた。
本日は日本と中国を除くほとんどの主要国がクリスマスのため休日となる。アジアタイム以降は銀行間市場の取引がほぼ止まることから、外為どっとコムをはじめFX会社のほとんどが夕方以降の取引を休止する。
そうした中、唯一の注目イベントは植田日銀総裁の講演だろう。植田総裁は先週の金融政策決定会合後の会見でマイナス金利の解除について具体的な言及を避け、市場にハト派的と受け止められた。その可能性は低いと見るが、仮に解除に向けた地ならし的な発言があれば市場にとって大きなサプライズとなるだけに、念のため注目しておきたい。
注目の経済指標:特になし
特になし
注目のイベント:植田総裁講演
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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