読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

来週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「中国発の材料は好悪両方 警戒感は高めで!」ハロンズ FX 2023/8/20

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gaitamesk/20220325/20220325130808.png

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
日々、為替情報発信中!

目次

中国発の材料は好悪両方 警戒感は高めで!

今週の振り返り

今週の豪ドル/円は94.15円前後で、NZドル/円は86.76円前後で週初を迎えました。
日米の金融政策の方向性の違いから円安圧力がかかりやすい状況で、豪ドル/円は15日に94.85円前後まで上値を伸ばしました。しかし、中国の大手不動産開発会社の資金繰り不安が台頭していることや中国経済の先行き不透明感などが重しとなり、徐々に上値を切り下げる展開となり豪ドル/円は92.92円前後、NZドル/円は86.03円前後まで値を下げました(執筆時)。

豪州の労働市場ひっ迫が緩和?

今週は8月15日(火)に豪4-6月期四半期賃金指数、17日(木)に豪7月雇用統計が発表されました。結果は以下の通りです。
【豪4-6月期四半期賃金指数、7月雇用統計結果】

4-6月期賃金指数は1-3月期よりも若干ではありますが伸び率が鈍化。四半期賃金指数の伸び率が前期を下回るのは2020年7-9月期以来となりました。豪7月雇用統計では雇用者数が1.46万人の減少に転じていました。これらの結果はRBAが15日に公表したRBA議事録の中の「労働市場が転換点にある兆候がいくつか見られた」という一文を肯定するものとなりました。これを受けて、市場は「RBAの追加利上げはほぼない」との見方を強めています。金融政策の面から見ると、米国や英国ではこれまでの予想よりも利上げ回数が増えるとの見方が浮上してきていますので、利上げの見通しが低下した豪ドルには売り圧力がかかりやすい状態になっています。
他方で、豪7月雇用統計の結果だけを見て「豪州の労働市場のひっ迫緩和が進んでいる」との見るのは時期尚早でしょう。豪州では7月は冬期休暇(南半球に位置するため、夏冬が北半球の日本と逆)の時期に当たります。この間に職探しを一時中断する人がいることが指標結果に影響を与えている可能性があります。そのため、豪州の労働市場のひっ迫が緩和されているかは来月以降の豪雇用統計の結果を見てからの判断となりそうです。

中国発の材料に警戒を

今週は14日に中国の大手不動産開発業者の「碧桂園(カントリー・ガーデン)」の資金繰りが懸念される中、同社の社債取引が停止となりました。18日早朝(日本時間)にはこれまた中国の大手不動産開発業者である「恒大集団」が米国にて連邦破産法15条の適用を申請したと伝わりました。これらの不動産開発業者の経営不振から中国経済の先行き不透明感が増しています。豪州やニュージーランド(NZ)は中国と交易関係が強い国ですので、中国の景気減速などは豪ドル、NZドルにとってはマイナス要因となります。

他方で、コロナ禍後の中国経済の回復力の弱さに対して中国当局が経済支援策を強化するとの期待も台頭しています。15日には中国人民銀行が1年物中期貸出制度(MLF、市中銀行に短期間の資金を貸し出す際の金利)を2.65%から2.50%へ引き下げました。市場は金利を据え置くと予想していました。これまでMLFの利下げは0.10%だったのに今回は0.15%利下げとなったことからも、人民銀行が大幅な利下げによって市場を活性化させたいとの思惑が見て取れます。来週は銀行貸出金利の指標となるローンプライムレート(LPR)が21日に発表されます。市場はLPRも利下げされると予想していますが、予想以上の利下げ幅となった場合には中国景気の底入れ期待から豪ドル、NZドルも買われる可能性があります。
中国発の好悪両方の材料が出てくる可能性があるため注意が必要となります。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は日足一目均衡表・雲を下抜けました。現時点では①ローソク足が雲の下、②遅行線がローソク足の下となっています。この状態で③転換線が基準線を下抜けると3役逆転で売りのシグナルが点灯します。目先の下値目途は91円台後半になります。この水準には200日移動平均線(91.91前後※18日時点)や7/28安値の91.80円があります。ここを下抜けると90.00円を目指す動きになりそうです。上値に関しては、まずは早期に雲の中に戻れるかが焦点となりそうです。なかなか戻れずにいると、雲下限が上値目途として強く意識されそうです。その上では、今週の高値や来週の雲上限が95.00円前後にありますので、同水準が意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、200日移動平均線】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:90.00-95.00、NZD/JPY:84.00-87.50

8/21 週のイベント:

08/21 (月) 07:45 NZ 7月貿易収支
08/21 (月) 10:15 中国 1年物/5年物 ローンプライムレート(LPR)公表
08/23 (水) 07:45 NZ 4-6月期四半期小売売上高

一言コメント:

先日、100均ストアでスウェーデントーチという焚き火用の丸太(小サイズ)を発見しました。10cm程度の大きさで手ごろなサイズだったため、1つ購入して自宅で試してみました。BBQとはまた違う炎の出かたで、しかもお手頃サイズ。小さな炎に癒されました。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。