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今週の為替予想(豪ドル/円 NZドル/円 )「中国の景気後退入りに警戒!」ハロンズ FX 2023/8/11

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執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
X(Twitter):@gaitamesk_naka
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目次

中国の景気後退入りに警戒!

今週の振り返り※8月10日木曜執筆

今週の豪ドル/円は93.11円前後で、NZドル/円は86.33円前後で週初を迎えました。
8日に発表された日本の6月毎月勤労統計で現金給与総額が前年比+2.3%となり前月(+2.9%)から鈍化。日銀は賃金上昇を伴う「物価安定の目標」の持続的・安定的な実現をめざしています。そのため賃金上昇率の低下により日銀が金融緩和を当面継続するとの観測に繋がり全般的に円売りが強まりました。また中国では8日に7月貿易収支、9日に7月消費者物価指数(CPI)と7月生産者物価指数(PPI)が発表され、芳しくない結果となりましたが影響は限定的。欧州で今冬のエネルギー危機再発懸念によるエネルギー価格の上昇などが支えとなり、豪ドル/円は94.41円前後、NZドル/円は87.48円前後まで一時上値を伸ばしました(執筆時)。

豪労働市場の経済指標に注目!

来週は8月15日(火)に豪4-6月期四半期賃金指数、17日(木)に豪7月雇用統計と労働市場関連の経済指標が発表されます。

豪四半期賃金指数は2021年1-3月期以降上昇傾向が続いています。今回発表される4-6月期分の市場予想は前年比+3.8%、前期比+1.0%で前期(+3.7%、+0.8%)から賃金上昇率が更に加速しています。仮に賃金指数の強い結果に加え、17日の豪7月雇用統計でも予想を上回る結果が示された場合には、「大幅な賃金上昇と強すぎる雇用がインフレを下支えする」との見方から、RBAが再び利上げに転じるとの期待が高まるかもしれません。一方でいずれも予想を下回ったとしても、豪州の労働市場はこれまでかなりの力強さを見せていたため、「若干悪化しても、累計で見れば問題なし」と受け止められそうです。豪州の労働関連の経済指標は上振れリスクに警戒しましょう。(※注 執筆時時点では両指標に対する予想を出しているエコノミストが少数のため、今後市場予想の数値が変わる可能性があります)

中国の景気の判断は次月に持ち越し

今週は8日に中国7月貿易収支が発表されました。結果は806.0億ドルの貿易黒字で市場予想(700.0億ドル)を上回りました。しかし、輸出、輸入が前年比で10%以上減少していたため良い結果とは言えませんでした。
他方で、翌9日に発表された中国7月CPIと7月PPIはそれぞれ前年比-0.3%、-4.4%となり、中国経済がデフレに陥ったことを示しました。しかしCPIの内訳を見ると、サービスに関するインフレやコアCPI(CPIから食品、エネルギー価格を除いたもの)が上昇に転じていました。そのため、市場は「中国のインフレ鈍化は7月で底を打った」との見方が大勢となり、中国と交易関係の強い豪ドルの売り材料にはなりませんでした。来週は中国7月小売売上高が発表されます。ここで消費の堅調さが示されれば豪ドルにとってもポジティブ材料となりそうですが、中国の景気に関しては次月以降の結果を見て判断ということになりそうです。

RBNZは据え置き?

来週は16日にNZ準備銀行(RBNZ)理事会が予定されています。RBNZは2021年10月以来、12会合連続で利上げを実施してきましたが、前回7月の会合では13会合振りに金利据え置きとなりました。7月19日に発表されたNZ4-6月期CPIは前年比+6.0%で前回の+6.7%からインフレが鈍化していることを示しました。8月9日にRBNZが集計、発表した2年先のインフレ期待は+2.83%と前期の+2.79%から若干インフレ圧力が高まりました。しかし、1年先や5年先と言った他の年限でのインフレ期待は低下しています。また、RBNZのインフレ目標は1%~3%ですので、いくら2年先インフレ期待が上昇したと言っても依然としてターゲットのレンジ内です。16日のRBNZ会合は市場予想通り据え置きとなりそうです。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル/円は日足一目均衡表・雲の中で方向感を模索中です。上下ともに雲を抜けた方向に少しトレンドが出てきそうです。ただし、来週は雲の下限が切り上がってきていますので、雲の下抜けでは売りのサインとは判断しにくいでしょう。200日移動平均線(青点線)を明確に下抜けた場合が売りサインと捉えても良さそうです。雲の上抜けに成功した場合は7/25高値の95.86円前後が目先の上値目途として意識されそうです。

【豪ドル/円 日足・一目均衡表、200日移動平均線】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:91.50-96.50、NZD/JPY:84.00-88.50

8/14 週のイベント:

08/15 (火) 10:30 豪準備銀行(RBA)、金融政策会合議事要旨公表
08/15 (火) 10:30 豪 4-6月期四半期賃金指数
08/15 (火) 11:00 中国 7月小売売上高
08/15 (火) 11:00 中国 7月鉱工業生産
08/16 (水) 11:00 ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利
08/17 (木) 07:45 NZ 4-6月期四半期卸売物価指数(PPI)
08/17 (木) 10:30 豪 7月新規雇用者数
08/17 (木) 10:30 豪 7月失業率

一言コメント:

台風7号が発生し、週明けにも関東に接近する予報となっています。私は『ドル円 昼ライブ』もありますし出社予定です。あまりひどい天気にならないことを祈っております。

nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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