個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2023年4月26日13時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
昨晩は米国のファースト・リパブリック銀行(以下、FRC)の株価が急落しました。
出所:TradingView
16ドルから半額となっております。さらに22年度末に120ドルだった頃と比較すると93%以上の下落となっており、黒字決算だったのにも関わらず預金流出となれば、銀行は倒産します。燃料不足となるため、単なる信用不安で崩れる状況です。
日経新聞・参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN25E6O0V20C23A4000000/
決算発表の内容では、預金が1000億ドルも流出しており、現在の預かり資産は1045億ドルとのことです。途中で大手銀行から300億ドル資本注入がされているようですから、実質745億ドルの預かり金しかありません。
金利収入を得ることが厳しい状態ですから、今期の決算は相当悪化するでしょう。
一部の報道では完全に政府管理下に置くという意見も出てきていることから、米国政府は本気でこの問題について救済しようという狙いも見え隠れします。やはり毎月何かしらこういった類の悪材料は定期的なイベントとなりそうです。
目次
▼ドル/円は再び戻り売り?
▼銀行信用不安で堅調なユーロも売りか?
ドル/円は再び戻り売り?
出所:TradingView
ドル/円1時間足です。
現在は並行チャネルレンジで推移しており、少しずつ下値を切り下げ始めました。
しかしながら、サポートラインを割り込んでも走りません。
すでにロングポジションがあまり残っていないのかもしれません。
今週金曜日は日銀金融政策決定会合があり、植田新総裁の発言に注目が集まります。
YCC撤廃など、金融政策変更についてどのレベルにするかが焦点でしょうか。
個人的には一切の変更はなし、黒田前総裁のトーンを維持するだろうと予想しております。 6月以降にYCC撤廃論などありますが、実行するとしても事前にアナウンスは長期金利上昇に影響が出るので、万が一実行する場合は突然の発表になるのではないかと考えております。
よって中長期的には下方向で見ておりますが、週後半の戦略に至っては、短期的に少し上昇目線のイメージです。
個人的な作戦では今週は様子見中心ですが、下で拾って日銀会合を迎える予定です。
特に金曜日の正午前後に政策金利について発表がありますが、11時30-40分ごろに発表となれば、議論がほとんどなく満場一致で金融緩和継続、という印象を市場に伝えられます。
よって、その場合はドル/円ロングが良いでしょう。作戦的には午前中にドル/円ロングポジションをとり、12時までポジションをキープ、12時前までに発表がなければ、トレードを降りる、というリスクが限定的なトレードを実行しようと考えております。
その場合は、記者会見までは上値を伸ばしやすいのではないでしょうか。
銀行信用不安で堅調なユーロも売りか?
出所:TradingView
ユーロ/円4時間足に切り替えます。今週末までは買いトレードで終えたのですが、今週前半は売り狙いから入っております。
残念ながら昨日指値注文が空振りとなり、下落してしまったので、再度大きく戻すタイミングで売りを狙って行こうと考えております。
ポイントとしてはRCIが極めて良好な形状をしており、あと1−2日後から下落が加速しやすい形状となっているため、テクニカル的には売りやすい格好です。
日銀会合は短期的に上方向、植田総裁の発言などでさらに上げたところで利食いし、そこから売りトレードに切り替えるスタンスで行こうとイメージしております。
だいぶ欲張った戦略ですが、本日明日と揉み合いを意識し、週末リスク、および月末のロンドンフィキシングフローを加味すると、最終日に売りが優勢になりやすいのではないかと考えております。
ヘッドアンドショルダーを作るイメージで、戻り売り目線でトレード予定です。
まずは147円後半に戻ることを意識してトレード予定です。
【ひろぴー氏出演動画】
【インタビュー】
「初心者から上級者まで相場観が一致したときが一番危険」(前編)
<もくじ>
・幼稚園児 投資に目覚める
・どこか引っかかる感じを大切に
・個人投資家におすすめ書籍と読む時期
「低勝率型こそ1憶円への近道」(中編)
<もくじ>
・勝率は低いほうがいい
・その失敗が糧となる!?
・他の金融商品も考え方は一緒
・日銀緩和のときに活きた投資の勉強
・決済はむずかしい
・低レバレッジでリスクを抑える
「はじめて話す 外為注文情報 活用法」(後編)
<もくじ>
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
・レポートの勧め

FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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