個人投資家として活躍するひろぴー氏が、独自の最新マーケット分析を毎週公開します。現在のFXマーケットを取り巻く情報の整理をする際、また短期間の FXトレード戦略を考える際に、お役立てください。
作成日時:2023年3月22日13時
執筆:CXRエンジニアリング株式会社 代表取締役 ひろぴー
今晩はFOMCです。政策金利引上げを実行するかしないかがマーケットの焦点になっているように思えますが、個人的には引き上げても引き上げなくても結果は同じだと考えております。
何が言いたいか申しますと、仮に利上げしても、利下げを夏以降、幾度か見込んでいるというわけで、今回の利上げしてしまった分、利下げ幅が大きくなるため、結局ドル売りインパクトのほうが大きくなるでしょう、という結論です。
利上げすると短期的にはドル高でもう少し推移をするかもしれませんが、政策金利が引き上がるため、より金融機関へのダメージが大きくなることを意味します。
リスクオフ相場を早めるような行為ですので、逆に利上げすると、ドルがより大きく売られてリスクオフマーケットを呼び込むのではないかと考えております。
リーマンブラザーズ倒産は2008年9月15日に起こったのですが、実は2週間の停滞期がございました。その後、株式市場は崩壊していったのですが、倒産によっていざ清算してみたら、あらゆるリスクが顕在化してしまった、といったほうが正しい表現かもしれません。
CSは買収となり、AT1債はトリガー条項により、価値がゼロになりました。
2.2兆円相当の債券価値が一気にゼロとなったわけです。
主に富裕層間のCoCo債として大人気だった高利回り金融商品が消し飛びました。
あっさりとこのまま終わるようには思えません。波及は徐々に起こるでしょう。
債券運用ファンドのPIMCOも早速数百億円規模の損害を発表しております。まだ金額が小さいですが、あちこちでボヤが出始めるのではないでしょうか。
目次
▼ドル/円4時間足 133-133.50円まで許容すべきか?
▼リスクオフに弱いNZドル、豪ドル/NZドルもチャンスあり!?
ドル/円4時間足 133-133.50円まで許容すべきか?
出所:Tradingview
ドル/円4時間足です。
先日も132円前半から135円超えと3円ほど上昇調整し、そこから4.5円近く下落しました。今回も3円ほどの上昇調整を考えますと、ちょうど、133.50円付近までは許容しておく必要があります。
フィボナッチの調整戻しの目安は38.2%戻しの133.35円です。
FOMC前後まではこの水準までの調整を覚悟し、ショートトレードをキープでしょうか?
RCIが4時間足では反転上昇のシグナルが発生しております。
よって、このテクニカル的には上値を伸ばしやすい局面ですので、戻り売りをする場合も、133-133.50円からの戻り売りが無難かもしれません。
先週に引き続き、売り目線を継続、目先は最終的に130円割れ方向で筆者は見ております。
リスクオフに弱いNZドル、豪ドル/NZドルもチャンスあり!?
出所:Tradingview
NZドル/円(NZD/JPY)4時間足に切り替えます。
リスクオフにめっぽう弱い、NZD/JPYをピックアップしました。
ご覧の通り、ドル/円は陽線ですが、NZD/JPYは陰線です。
徐々に乖離が生まれてきており、直近安値からの反発幅もないことから、逃避先になっていない証拠でしょう。
政策金利が高い国ですから、その分バッファがあります。
下げ始めた場合、一気に急落すると思いますので要注意でしょうか?
コロナショック後の安値は59円台でした。そこから大きく上昇し、昨年の高値は88円です。
半値戻しをする場合は74円レベルまで調整する必要があるため、大きくスイングトレードで狙うなら、この通貨ペアは狙い目かもしれません。
またドル/円、クロス円のボラテリティが高いことから、個人的には豪ドル/NZドル(AUD/NZD)のロングポジションも持っております。
出所:Tradingview
リスクオフの際は、決まって上昇する通貨ペアがAUD/NZDです。しかもボラテリティがそこまで激しくないため、スイングしやすい通貨ペアの一つでしょう。
リスクオフ相場が長引く場合、ニュージーランド→オーストラリアに資金が逃避することが多いため、その長期トレンドを狙うならば、1.15~1.20も十分視野に入ります。
こういった騰落が激しい期間は、却ってこのように値動きの差異が通常は少ない通貨ペアでトレードして一旦落ち着くということも戦略の一つです。
個人的にはよくトレードする通貨ペアですので、皆さんにもご紹介しておきます。
チャート的には下降トレンドラインを右方向に抜けてしばらく時間が経過しました。
そして、現在、ネックラインを突破寸前となっております。
1.08を明確に超えられるかがポイントとなるでしょう。
ターゲット的には1.0880にレジスタンスラインとフィボナッチが弾けるクラスターポイントが存在しますので、目先第一ターゲットはこの水準を定めております。
ポジショントークも含みますが、ネックラインを超えて、1.10方向を意識してトレード最中です。
今週もリスクオフ相場は継続、FOMC後、マーケットが再び動いてくる予想をして、ドル売り、NZドル売り中心に円買いポジションを増やしていく予定です。
【ひろぴー氏出演動画】
【インタビュー】
「初心者から上級者まで相場観が一致したときが一番危険」(前編)
<もくじ>
・幼稚園児 投資に目覚める
・どこか引っかかる感じを大切に
・個人投資家におすすめ書籍と読む時期
「低勝率型こそ1憶円への近道」(中編)
<もくじ>
・勝率は低いほうがいい
・その失敗が糧となる!?
・他の金融商品も考え方は一緒
・日銀緩和のときに活きた投資の勉強
・決済はむずかしい
・低レバレッジでリスクを抑える
「はじめて話す 外為注文情報 活用法」(後編)
<もくじ>
・損切り注文の功罪
・シグナル、逆シグナル
・検証の果てに
・ローソク足は基本どおり見る
・外為注文情報の活用
・レポートの勧め
FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。
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