豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・WTI原油価格は続伸。中国が新型コロナ対策の一環である、入国者の隔離期間を短縮したことで、同国の景気低迷懸念が和らいだことが要因。また、米国では利上げ幅縮小観測が高まり、米ドルが全面安になったことも原油が買われる要因となった。一時1バレル=90ドル台まで上昇(11月11日)。
・11月1日に豪準備銀行(RBA)は金融政策決定会合を開催。市場予想通りとなる0.25%の利上げを実施し、政策金利を2.85%とした。
・10月26日に豪統計局は7-9月期四半期消費者物価指数(CPI)と9月の月次CPIを発表。7-9月期CPIは前年比+7.3%(予想:+7.0%)、9月CPIも+7.3%(予想:+7.1%)とそれぞれ上振れとなった。7-9月期CPIのトリム平均は+6.1%となり、同項目の公表が開始された2003年以降で最大の伸びとなった。
・9月分の豪雇用者数は900人増と予想の2.5万人増を大きく下回る。失業率は3.5%、労働参加率は66.6%と前月から横ばいとなった(10月20日)。
・2022年4‐6月期の賃金指数(前年比)は+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回る。前期比は+0.7%(前回:+0.7%)と、賃金は堅調さを維持している(8月17日)。次回は11月16日発表予定。
今日のメインシナリオ
中国の景気低迷懸念が和らいだことが豪ドル/円を下支えする?
本日は豪ドル相場に影響を与えそうな経済指標の発表は予定されていない。11月10日に発表された米10月CPIの結果を受けた、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ幅縮小への思惑から米ドル売りが強まった。この影響から過去2日間で米ドル/円は8円近く下落している。急速に円高が進行したことで、米ドルのショートカバーが入りやすい状況である。週が変わり市場は次の材料を探し始めていることも米ドル/円をはじめとした対円通貨が底堅く推移する一因となりそうだ。豪州と交易関係の強い中国は、11日に新型コロナ対策による新規入国者の隔離期間の短縮や、不動産危機を回避するために広範囲な救済策を発表した。中国経済が下支えされるとの思惑は豪ドルの下値を支える要因となりそうだ。
個別の想定シナリオ
■中国が新型コロナ政策を緩和
⇒中国経済の低迷懸念が和らぐ
⇒資源価格が上昇
⇒資源国通貨である豪ドル/円は上昇
チャート分析
今後の注目材料
中国のゼロコロナ政策の緩和を受けた株価動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に雨がぱらつき、豪ドル/米ドルは雨。8時に豪ドル/米ドルのストキャスティクスで売りシグナルが点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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