豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・米国は祝日明け。WTI原油価格は前日に大きく下落したことで買い戻し優勢。一時1バレル=112ドル台まで上昇(6月21日)。
・5月分の豪雇用者数は6.06万人増と予想の2.5万人増を大幅に上回る。失業率は前月とおなじ3.9%に留まったが、労働参加率が66.7%(前月66.3%)へ上昇。過去最高となった(6月16日)。
・2022年1‐3月期の豪賃金指数(前年比)は+2.4%と前期(+2.3%)を上回る。しかしRBAの目標とする3%には届かず。6月15日に公正労働委員会が最低賃金の5.2%引き上げを発表。これにより賃金指数の伸びも加速しそうだ。
・6月7日の豪準備銀行(RBA)理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.40%)を上回る0.50%の利上げを実施。今後も大幅利上げの可能性がある。
・4月27日発表の豪2022年1‐3月期 消費者物価指数(CPI)は前年比+3.7%(トリム平均)とRBAの目標レンジ(2~3%)を突破。市場の予想(+3.4%)を大きく上回る結果となった。
今日のメインシナリオ
RBAは予想ほどタカ派ではなかった。それでも豪ドル/円は底堅い!
昨日はロウRBA総裁の発言や6月7日開催のRBA理事会議事要旨が公開された。「市場の行き過ぎた利上げ幅拡大期待を冷ましたい」そんな印象を受ける内容となった。確かに、常時であれば主要国が毎会合0.5%ずつ利上げするのは考えにくい。ただ、欧米で大幅利上げが実施され(今後見込まれる)、長年マイナス金利を導入していたスイスですら0.5%利上げを実施した。オーストラリアのCPIは5.1%(1-3月期)とRBAの目標を遥かに超えている。さらに労働市場の大幅な改善も見られた。RBAが他中銀に追随して大幅利上げを継続してもおかしなことは何一つない。筆者は今後ネガティブ要因が出てきた際に、市場の期待ほど利上げができなかった場合に備えたガス抜きと捉えている。インフレが加速している現状では原油の純輸入国である豪州は自国通貨高の方が都合が良い。資源価格(CRB指数)が1年前と比べると約1.5倍になっているので、多少の豪ドル高でも豪輸出産業への影響は軽微とみている。RBA理事会で①期待ほど利上げ幅が大きくなく、ネガティブサプライズとなって豪ドルが売られる、よりも②期待以上の利上げ幅でポジティブサプライズとなり豪ドルが買われる。②の方が豪経済にとっても都合が良い。日本を除く主要国が軒並み大幅利上げを実施していることによる世界的な経済後退の懸念は付きまとう。特に米国の経済後退リスクを市場が意識し始めると、リスクセンチメントに敏感な豪ドルは売られることになる。現時点では主要国中央銀行と日銀の「経済政策の方向性の違い」が意識された円売りが優勢だが、いつでも逃げられるように市場の意識の移り変わりには気を付けておきたい。
個別の想定シナリオ
■日銀と他主要国中銀との経済政策の方向性の違いが意識される
⇒円安基調
⇒豪ドル/円は上昇
チャート分析
今後の注目材料
パウエルFRB議長の議会証言
世界的な株価動向
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルともに雨。8時に豪ドル/円のボリンジャーバンド、豪ドル/米ドルの移動平均で売りシグナルが点灯。
【情報提供:外為どっとコム】
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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