目次
▼16日(水)の為替相場
(1):本邦貿易収支は予想を超える赤字額
(2):中国副首相の発言を受けて中国株反発
(3):停戦合意への期待からユーロ強含み
(4):米小売は予想を下回る
(5):FOMCで0.25%利上げ決定
(6):FRB議長会見、ドル/円反落
16日(水)の為替相場
期間:16日(水)午前6時10分~17日(木)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):本邦貿易収支は予想を超える赤字額
日本2月貿易収支(通関ベース)は6683億円の赤字となり、赤字額は予想(1500億円)を超えて膨らんだ。エネルギー価格の上昇などから7カ月連続の貿易赤字となった。
(2):中国副首相の発言を受けて中国株反発
中国の劉鶴副首相は「資本市場に好ましい政策措置」を取ると表明。「第1四半期に景気浮揚策を講じる」とも発言した。これを受けて中国上海総合株価指数や香港ハンセン株価指数が大幅に反発。人民元相場も上昇した。こうした中、豪ドル買いが優勢となった。
(3):停戦合意への期待からユーロ強含み
ロシア大統領府(クレムリン)は、ウクライナとの停戦交渉の妥協案として、ウクライナがオーストリアのように限定的な自国軍を持ちつつ「中立的」な立場にとどまる事が検討されていると表明。停戦合意への期待からユーロが強含んだ。
(4):米小売は予想を下回る
米2月小売売上高は前月比+0.3%と予想(+0.4%)をわずかに下回った。ただ、自動車を除いた売上高は前月比+0.2%と予想(+0.9%)を大きく下回った。
(5):FOMCで0.25%利上げ決定
米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を予想通りに0.25-0.50%へと25bp(0.25%ポイント)引き上げた。声明では「ロシアによるウクライナ侵攻の米経済への影響は非常に不確実だが、短期的にはインフレにさらなる上向きの圧力を生み出し、経済活動を圧迫する可能性がある」としながらも、労働市場の堅調さなどを踏まえ「政策金利の継続的な引き上げが適切になる」との見解を示した。セントルイス連銀のブラード総裁は50bpの利上げを主張していた事も分かった。
同時に公表した経済・金利見通しでは、2022年のインフレ予測を大幅に引き上げた一方、成長率予測は引き下げた。その上で、政策金利は2022年末に1.75-2.00%へと引き上げられると予測した。年内に予定されている6会合すべてで25bpの利上げを行う可能性を示した事でドルが急伸。ドル/円は119.12円前後まで上値を伸ばし、2016年2月以来の高値を付けた。クロス円はドル/円が上昇した一方、ストレートドルが下落したため大きな動きはなかった。
(6):FRB議長会見、ドル/円反落
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見が始まるとドルが反落。議長は「行動加速が適切となれば、そうするだろう」として利上げペースの加速に含みを持たせたが、近いうちに経済が下降する兆しはほとんどないと指摘し、向こう1年間のリセッション(景気後退)の確率は「特に高くない」と述べた。
これを受けて米国株が一時の下げを解消した一方、米長期金利は上げ幅を縮小した。ドルもFOMC直後の上昇幅を吐き出す形となりドル/円は118.50円台まで反落した。一方、クロス円はストレートドルの上昇と株高を受けて反発した。
16日(水)の株・債券・商品市場
外為注文情報
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本日の見通し
ドル/円の見通し:下値は堅く上値は軽い
昨日のドル/円は米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて一時119円台へと上伸。FOMCは政策金利を25bp(0.25%ポイント)引き上げた上で、さらに年内に150bp(1.50%ポイント)の利上げを行う見通しを示した。これは年内に予定されている6回すべての会合で25bpの利上げを行う事を意味する内容。ドル/円はFOMCの直後に119.12円前後まで急伸して2016年2月以来の高値を付けた。その後、急伸の反動でドル売りに傾く場面もあったが、前日比0.4%高の118.76円前後で取引を終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀の金融政策の方向性の違いを踏まえれば、ドル/円の下値余地は小さいという事だろう。日銀は本日から明日にかけて行う金融政策決定会合で、大規模緩和を維持する可能性が高い。ドル/円は本日も、下値が堅く上値が軽い相場展開が続きそうだ。昨日高値の119.12円前後を上抜ければ119円台半ばまで上値を伸ばす事も考えられる。
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