豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆：外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
目次
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
・豪2021年第4四半期 消費者物価指数（CPI）は前年比+2.6%（トリム平均）と豪中銀（RBA）の目標レンジ（2～3%）の中央値を突破。
・RBAがCPIのほかに注視するのが賃金指数。この賃金の伸びが前年比3%を超えるのをRBAは目安にしている。2021年第4四半期前年比+2.3%（最新）。
・1月分の豪雇用者数は1.29万人増と1月は新型コロナの感染拡大があったにもかかわらず堅調な結果。失業率は4.2%と2カ月連続で2008年8月以来13年ぶりの低水準。次回は3月17日。
・3月1日のRBA理事会、政策金利は0.10%で据え置き。近い将来の利上げは示唆せず。
・「あと２回四半期CPIを見てインフレ高進の持続を確認したい」（ロウRBA総裁 2月11日の議会経済委員会での発言）。
・ウクライナ情勢への侵攻を受けて、ロシアはSWIFT（国際銀行間通信協会）から排除される。西側諸国は次々と金融制裁を実施し、ロシアはデフォルト懸念台頭。
・「キャッシュレートの年内引き上げは理にかなうと思う」（ロウRBA総裁 3月9日発言）。
・中国、オリパラ終わり新型コロナ感染者数急増。一部都市ロックダウンにより景気回復に遅れの可能性浮上。
・WTI原油価格はウクライナ情勢改善期待と供給改善期待、中国の景気減速懸念（需要減）により一時2月25日以来の1バレル＝93ドル台まで下落（3月15日）。
今日のメインシナリオ
米FOMC後は豪ドル/円も調整売り？中国への懸念が豪ドルの上値を抑える。
オーストラリアと深い交易関係にある中国の株価は、①複数都市のロックダウンによる中国経済の減速懸念と、②ロシアを支援して経済制裁を受ける懸念で下落。今週に入り香港ハンセン指数や上海総合指数をはじめとした中国株は大きく値を下げている。中国に関する一連の懸念事項は豪ドルにとってはネガティブ材料となるため、今後も意識しておきたい。本日の注目は米FOMC（連邦公開市場委員会）。発表時間が日本時間の27時（夜中の3時）となるため、それまでは大きくポジションを傾けづらい。
市場予想では0.25%の利上げが織り込み済み。
注目は将来の金利見通し「ドットチャート」。ウクライナ情勢の先行きが不透明な中では前回（12月発表）から大きくタカ派に傾いているとは考えづらい。3月11日以降、かなりの急ピッチで米ドルが買われていた分、FOMC後には「材料出尽くし」で米ドル売り調整が入りそうだ。その場合の豪ドル/円は、米ドル/円の下落と豪ドル/米ドルの上昇、両方の影響から動きが読みづらいものの、この期間の米ドル/円の上昇幅が大きかった分、ドル/円の下落に引っ張られるのではないだろうか。
個別の想定シナリオ
■中国経済の減速懸念
⇒「世界の工場」中国の減速は資源国通貨にとってマイナス
⇒豪ドルには下げ材料
■米FOMC後の米ドル売り調整
⇒3月11日以降急ピッチで上昇した米ドル/円は調整売り
⇒豪ドル/円には売り材料
チャート分析
注目材料
ウクライナ情勢
コモディティ価格動向
中国情勢
米FOMC
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円は曇り空に雨、豪ドル/米ドルは雨となっている。8時に豪ドル/円のMACDで買いシグナルが点灯。
【情報提供：外為どっとコム】
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- ※ 「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」とは、選択した通貨ペア・足種に対して、複数のテクニカル分析を行った結果をパネル形式で一覧表示することにより、直感的に相場状況を把握することができるツールのことを指します。
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