▼今週の振り返り
▼小売りはRBAの見通しを変える第一歩となるか？
▼NZはタカ派色を強められるか？
▼テクニカル的には…
▼11/22 週のイベント
▼一言コメント
豪ドルは弱く、NZドルは強い！？
今週の振り返り－賃金の伸びは見られたが…
17日には7—9月期豪賃金統計が発表されました。結果は前年同期比+2.2%と前回（同+1.7%）と比べて賃金は堅調な伸びを見せました。ただ、ロウ豪準備銀行（RBA）総裁が「中銀目標（インフレ率2-3%）のミッドポイント（2.5%）前後への到達を支えるには3%以上の賃金の伸びが必要」と語り、早期利上げ期待を打ち消したほか、鉄鉱石や石炭価格の下落の影響もあり、週を通して豪ドルの上値は重かったです。
小売りはRBAの見通しを変える第一歩となるか？
前述のとおり、豪賃金統計は前期と比べても堅調な伸びとなりましたが、同時期のエネルギーや資源高の影響があったものの消費者物価指数が前年同期比+3.0%という結果だったということもあり、RBAによる利上げ予想時期を前倒しするには至りませんでした。ロウ総裁が明確に示した賃金統計の前年同期比+3％というのが今後の目安となります。RBAは「2023年末まで3％に達しない」との予想をしていますが、今後の経済指標の結果でどれだけ忍耐強く待てるか注目です。
26日には豪10月小売売上高が発表されます。10月は11日にニューサウスウェールズ（NSW）州、21日にはビクトリア（VIC）州のロックダウンが解除されました。この2州での経済活動の回復基調を計るうえでも重要な指標となります。豪全体の数字はもちろんですが、NSW州、VIC州の結果も注視したいところです。
NZはタカ派色を強められるか？
既に利上げサイクルに入っているNZドルのほかに、米ドルや英ポンドでも早期利上げ期待が膨らんでいます。現在新型コロナ第4波に苦しめられているユーロや、景気回復の兆しさえ見せない日本円はもちろんですが、RBAが度々早期利上げを否定する豪ドルは当面は売られやすい通貨となりそうです。特にNZは7-9月期の消費者物価指数が前年同期比+4.9%と力強い回復を見せ、18日にNZ準備銀行（RBNZ）が公表した10-12月期の2年先期待インフレが2.96％と前期の2.27％から上昇し、約10年ぶりの高水準となりました。24日のRBNZ理事会での0.25％の利上げはすでに織り込み済みなので、0.50%の利上げや声明等で更なるタカ派色を強めなければ、材料出尽くしでNZドルは一旦売られる可能性はあります。ただ、既にほかの先進国に先んじて利上げサイクルに入っていることがNZドルを支える要因となっています。金利面から見るとNZドルが売られたところは買い場として捉えてよいのではないでしょうか。
テクニカル的には…
先々週からの下落トレンドは継続中です。先週も指摘した8/20安値と10/21高値を結んだフィボナッチリトレースメント38.2%戻しとなる83.10円や心理的節目83.00、200日移動平均線がサポートとして機能しています。この水準を明確に下抜けると売り圧力が強まりそうです。その場合の次の下値目途は82.00円。この水準にはフィボナッチの半値戻し、9/3高値、月足の転換線などのサポートが多数あります。82.00円を下抜けると完全な下落トレンドとなりそうです。
【豪ドル/円 日足チャート 一目均衡表とフィボナッチリトレースメント、200MA】
予想レンジ：
AUD/JPY：81.50-84.50、NZD/JPY：79.50-82.50
11/22 週のイベント:
11/23 (火) 06:45 NZ 7-9月期四半期小売売上高(前期比)
11/24 (水) 10:00 NZ ニュージーランド準備銀行（RBNZ、NZ中央銀行）政策金利
11/25 (木) 06:45 NZ 10月貿易収支
11/25 (木) 09:30 豪 7-9月期四半期民間設備投資(前期比)
11/26 (金) 09:30 豪 10月小売売上高(前月比)
（執筆：中村 勉）
一言コメント：
米国では11月の第4木曜日は感謝祭で祝日となります。翌日の金曜日も祝日の州が多く、来週末25、26日にかけて外国為替市場もホリデーモードに入っていきそうです。感謝祭（Thanks Giving Day）は家族で揃って七面鳥を食べたりするのですが、私は米国在住時に伝統の七面鳥を食べた記憶がありません。米国人の友人は家族で集まるので邪魔を出来ないですし、自分で料理するにも作り方がわからない。そもそもオーブンなんて家になかったので…近所のレストランもほとんど閉まっていたと思います。なので食事はいつ何時でも開いている安定のアメリカン・チャイニーズフード店（パ〇ダ〇クスプレスみたいな）で七面鳥の替わりにチキンでした。そういえば、1年間ほどホームステイしていたのですが、その時の記憶はごっそりありません…（汗）
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