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日本株好調からの円相場安定 vs 米国発の不安要因にも気をつけたい

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総括

日本株好調からの円相場安定 vs 米国発の不安要因にも気をつけたい

ドル円=107-112、ユーロ円=127-132 、ユーロドル=1.15-1.20

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価9位(12位)、日経平均急騰とドルのリパトリがドル円を支えた。ただ米国に不安あり」
 8月22日の横浜市長選をきっかけに好材料が続出して日経平均は2万7千円台から3万円台へ上昇した。日経上昇で日本発のリスク選好となりドル円相場も安定した。日本株は以下のようにいいリズムが続いた。

8/22 横浜市長選 自民党敗戦昇、8/27 パウエル議長ハト派発言昇、9/3 菅首相、自民党総裁辞意表明、9/9 ラガルド総裁の必要な支援を継続発言、9/10 米中首脳会談や中国貿易再拡大などで上昇した。

ただ今年の株式相場をリードしてきた米国が後述(米ドルの項)するように不安要因が出てきたので今週は注意したい。先週末の日経平均先物のNY終値はマイナス220だ。
 また トヨタ自動車は9月10日、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大などに伴う部品供給不足により、9月と10月を合わせた世界生産を8月時点の計画から約40万台さらに減らすと発表した。世界の自動車会社も同様な動きとなれば少し波乱が起きよう。
 景気はやや上向きな面も見られ本日の法人企業景気予測調査も改善するが、7-9月期の緊急事態宣言は後に影を落とす。自民党の総裁選挙では経済政策では各候補に違いはないので、誰が選ばれても反応は同じだ。株価を上げることが出来なければ、過去の首相同様に短命となる。
 ドル円の需給については貿易需給、外為どっとコム社の注文状況ともに拮抗して相場膠着の要因となっている。出来高も細り、実需原則のあった1980年台初頭に戻りそうだ。輸出入の実需の取引の中心の取引が続くが、それは拮抗している。また晩秋になれば商慣習として輸出のドル売り予約が細り輸入が目立って円安要因となる。11月頃は気をつけたい。

*米ドル「通貨5位(4位、株価(NYダウ)4位(5)位、バイデン大統領苦境、FRBはテーパリング方向か。米中首脳会談実らず」
 不安要因が多く、米株が下落し損失補填で海外資産の取り崩しでドル買いも出ている。バイデン大統領の支持率も低下し、起死回生の米中首脳会談を試みたが影響は一時的であった。
不安要因とは、

*パウエルFRB議長はハト派だが他はタカ派で今月のFOMCでテーパリング示唆をすると予想されている。
*ベージュブックは景気減速に言及
*財政の崖への不安
*マンチン民主党銀の反対で財政案否決の可能性
*モルガン・スタンレーは米国株の投資判断を「アンダーウエート」に引き下げ、シティもリスクを指摘し、クレディ・スイスは慎重な見方
*デルタ株拡大中

 そこへ、トランプ前米大統領が9月11日、先月のアフガニスタン駐留米軍撤収について「20年の戦争に名誉の勝利を飾るはずの年だったが、バイデン大統領とその無能な政権は降伏し、敗北した」と批判した。
 ワクチン義務化を図るバイデン大統領への批判も高まってくる。今年は低迷していた日本株は先週上昇したが、今年の先導役の米株、米経済が異変を見せ始めたか。

*ユーロ「通貨8位(8位)、株価4位(6位)DAX)、米ドルリパトリで下落。ECBはハト派的テーパリング」
 先週は通貨・株価ともに下落した。ユーロだけに要因があるわけではない。米株下落でドルのリパトリが起きてユーロが売られた。さてラガルドECB総裁は、ユーロ圏経済について、数四半期前に懸念されていたより良好だが、新型コロナウイルス危機を完全に脱したわけではないと指摘、今後も支援が必要だとの認識を示した。総裁は「望ましい金融状況を維持するため、当然ながら必要な支援を継続する決意だ。回復が単なる反発に終わらないようにするため、完全にデータ次第で柔軟な手法とする」と述べた。ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPPP)の購入ペースを4Qに「やや減速」させる。ラガルド総裁はただ、これは「テーパリングではない」と言明。「PEPPを向こう3カ月について微調整する」という決定だと説明した。総裁はユーロ圏経済の回復が「ますます進展している」と述べ、購入を減速させても回復が続くことに自信を示した。新たな購入目標は月額600億~700億ユーロに設定された。
 ラガルド総裁は景気回復に楽観的だが、直近の指標は強くはない。9月のユーロ圏投資家センチメント指数は19.6で、8月の22.2から低下し4月以来の低水準となった。独の9月の景気期待指数は4カ月連続で低下した。今週はユーロ圏鉱工業生産や国際収支が発表される。

*ポンド「通貨2位(3位)、株価10位(11位)、利上げ観測台頭の中で消費者物価発表」
 増税計画や7月の弱いGDPがあったものの年間2位の強さは確保した。外為どっとコム社の注文状況でもユーロ円と比べると旺盛な買い需要がある。7月の単月GDPは弱かったが、利上げ観測が出始めた。経済がコロナ禍から堅調に回復し、インフレ高進の恐れがあるためで、利上げ時期はさらに前倒しとなる可能性もあるとの声が強まっている。英国は積極的なワクチン接種によって新型コロナの死者数が減少し、国民の生活は大半が通常の状態に戻っている。ロイター調査では0.1%と過去最低水準にある政策金利が22年4Qに0.25%に引き上げられるとの予想が示された。8月調査では、利上げ時期は23年以降と見込まれていた。
 ベイリー英中銀総裁は9月8日、利上げ検討に向けて最低条件が整ったと考えるメンバーと回復の力強さが十分ではないと考えるメンバーとで半々に分かれたと述べた。ベイリー総裁自身は前者の考えを持っているとしたものの、英経済が新型コロナウイルスのパンデミックからの回復を続ける中、利上げを正当化するほど十分ではないとした。英中銀は8月、政策金利を過去最低の0.1%に据え置くことを全会一致で決定。資産買い入れ枠もこれまでの総額8950億ポンドを維持したが、ソーンダーズ委員が減額を主張した。ソーンダース政策委員は、英経済の成長が続き、高インフレが長引けば、来年利上げが必要になる可能性があるとの認識を示した。今週はその意味でも8月消費者物価を注目したい。

*豪ドル「通貨10位(10位)、株価7位(7位)ハト派的テーパリング」
 先週は通貨、株価ともに下落した。ロックダウンが続いていることが影響した。新型コロナウイルス流行の震源地となっているNSW州は9月11日、新規感染者が1599人と過去最多を更新したと発表した。
 さてRBAは政策金利を予想通り過去最低の0.1%に据え置くとともに、債券買い入れを縮小した。債券買い入れを10億豪ドル減額の週40億豪ドルとしたのは、市場の一部では意外感をもって受け止められた。中銀は同時に、このペースでの債券購入を少なくとも2022年2月半ばまで延長することを決定。現実と折り合うためのハト派的な動きと捉えられた。 ロックダウンにより3QGDPがマイナス成長に陥ると予想されており、テーパリングを延期するとの観測があった。ただロウRBA総裁は景気が痛手を受けていると認めた上で、先行きについて楽観的見方を堅持した。「ワクチン接種率がさらに上昇し、制限が緩和されれば、景気は持ち直すはずだ」と語った。市場は「ハト派的テーパリングと呼んでいる。40億豪ドルの買い入れペースを少なくとも6カ月継続すると確約したからだ。テーパリングに前向きな一方で、さらに長い期間続けるというのは、中銀が金融システムに対する大規模な刺激策を依然実行しているということだ」と指摘した。中銀はまた、賃金上昇率とインフレ率が目標水準に到達すると期待される24年までは、利上げは行わないとの見通しを改めて示した。 今週の注目は8月雇用統計。失業率、雇用者数ともにロックダウンの影響で悪化すると見られている。

*NZドル「通貨7位(7位)、株価14位(14位)、ロックダウン一部解除、今週はGDPと経常収支」
 豪ドルより通貨は強いが株価は弱い。コロナ感染抑制は豪よりも成功している。政府は9月8日、新型コロナウイルスの感染者が新たに15人確認されたと発表した。前日の21人から減少した。同国ではこの日から最大都市のオークランドを除く全地域で行動規制が緩和された。NZは新型コロナの感染を封じ込めていたが、感染力の強いデルタ型変異株が拡大し、8月29日には1日あたりの感染者が85人を記録していた。
政府は今週、オークランド以外では新規感染者がほぼゼロになったことから警戒レベルを下げ、学校やオフィス、商店についてはソーシャルディスタンス規則を順守した上で再開を認めると発表した
 2Qの製造業売上は前年比18.85増と予想の15%を上回った。2Qは小売売上も好調であった。さて今週は2Qの経常収支とGDPが発表される。経常収支は4四半期ぶりに11億NZドルの黒字となる予想だ。2Q・GDPの予想は前年比で16.4%増、前期比で1.5%増の予想だ。豪ドルより強いのは、インフレが既に目標の1-3%を超える3.3%となっていることだ。前回利上げ予想もあったが、ロックダウンによる景気後退を考慮して据え置きとされた。10月には利上げが予想されている。

テクニカル分析

*ドル円「9月8日の上ヒゲから下落」
日足、9月8日の上ヒゲから下落。ボリバン中位。雲に入る。9月9日-10日の上昇ラインがサポート。9月9日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、ボリバン中位。横ばい。8月9日週-9月6日週の下降ラインが上値抵抗。8月16日週-9月6日週の上昇ラインがサポート。雲の上。
月足、一目の雲にかろうじて入っている9月。21年5月-8月の上昇ラインがサポート。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ上限からは下落。ボリバン上位。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン3σ上限に近い9月3日の上ヒゲ効いて下落」
日足、ボリバン3σ上限に近い9月3日の上ヒゲ効いて下落。雲の下へ。9月7日-10日の下降ラインが上値抵抗。9月8日-9日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン下位、雲中。8月30日週-9月6日週の下降ラインが上値抵抗。8月23日週-9月6日週の上昇ラインがサポート。
月足、21年4月-6月の上昇ラインを下抜ける。8月は下ヒゲが長い。6月-8月の下降ラインを上抜く。21年5月-6月の下降ラインが上値抵抗。20年7月-21年8月の上昇ラインがサポート。ボリバン中位で留まる。雲の上維持。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「9月10日の上ヒゲ長い」
日足、ボリバン2σ下限から反発し上限へ。先週は下落。9月10日の上ヒゲ長い。8月20日-9月10日の上昇ラインがサポート。9月8日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。雲下へ。
週足、ボリバン2σ下限から反発。先週は3週ぶり陰線。8月23日週-9月6日週の上昇ラインがサポート。8月30日週-9月6日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、8か月連続陽線とならず3か月連続陰線。7月、8月は下ヒゲ長い。20年11月-21年8月の上昇ラインがサポート。18年2月-21年6月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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