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FOMCショックは和らぐ。次の懸案は米財政の崖

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総括

FOMCショックは和らぐ。次の懸案は米財政の崖

ドル円=108-113、ユーロ円=130-135 、ユーロドル=1.17-1.22

通貨ごとの注目ポイント

*円通貨11位(11位)、株価13(13位)、日本だけ景気のリバウンドが見られない不安あり。輸出依存は危険
 年間では11位でトルコリラに次いで弱い円であるが、6月に限って言えば、米中対立激化やFOMCの利上げ予想前倒しで世界的なリスク回避行動が行われる中で、12通貨中3位となっている。伝統の有事の円買いは生きていた。
 ただ日本の景気は、コロナ禍から回復する他国と比べて見劣りがする。6月の月例経済報告で、輸出は緩やかに増加している一方、個人消費の弱い動きが続いているなどとして、景気全体については「持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」という、これまでの判断を据え置いた。「個人消費」は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響が飲食店を中心に続いているとして「サービス支出を中心に弱い動きとなっているとした。「輸出」は、海外経済の回復を背景に生産用機械などが増えていることから「緩やかな増加が続いている」としたほか、企業の「生産」も新たな通信規格=5G関連の製品向けに、電子部品が増えていることなどから「持ち直している」としている。
 6月の製造業PMIは主要国が改善する中で51.5となり、前月の53.0から悪化した。コロナ感染での経済活動制限策が長引いたことによるものだろう。一端、緊急事態宣言は解除されたが、再び感染者数が増加傾向にあることは不安である。不安であるが抜本的な景気対策は、予想される秋の総選挙あたりまで先送りされるのだろう。
 さて確かに輸出が伸びているが、国内消費が進まず外需に頼るだけなら悪い円高になってしまう。米金利上昇を見込んだ短期的なドル買いも出ているが、いずれ逆の動きとなる可能性は大きい。
 今週は日銀短観、雇用、鉱工業生産、住宅着工、消費者態度指数などに注目したい。

*米ドル通貨6(6)位、株価(NYダウ)5(5)位、FOMCショックは和らぐ。次の懸案は
米国に先んじてメキシコが政策金利を引き上げた。また各国中銀の総裁の会見内容はパウエル議長と大きな隔たりはない。景気はコロナ禍の落ち込みから回復しつつあるも、インフレは一時的なものに留まるといったものだ。ECBしかりBOE(英中銀)しかりだ。当初のFOMCでの「利上げ予想前倒し」からのショックは時間が経つにつれ薄まってくる。それだけ世界の経済は密接に連動しているということだろう。今後、米国市場が大きく動くとしたら、金融政策ではなく別の事からだ。米中対立、米の財政の壁問題などだろう。貿易赤字もいつ浮き彫りにされるかもしれない。また将来、金融引き締めを行っても、長い目で見れば小さな動きだし、景気回復の証なので株価には影響がない。もちろん膨大な貿易赤字があるのでドルが上がり続けることもない。今年のドルは12通貨中6位で、騒ぐほど上昇していないし、弱くもない。
心配なのは財政赤字だ。 イエレン米財務長官は、連邦政府の債務上限を早急に引き上げるか上限適用を停止するよう議会に要請した。また、このままでは8月中にも米国が債務不履行(デフォルト)に陥る深刻なリスクがあると警告した。上院歳出小委員会での証言で「国債のデフォルトは考えられないことで、債務上限を引き上げなければ、経済に壊滅的な影響を及ぼすことになる」と指摘。金融市場の不確実性を回避するため、現行の上限適用停止措置が7月末に失効するまでに、財務省の借入継続を認める新たな債務上限法案を議会で可決すべきと訴えた。

*ユーロ通貨9(7)位、株価4位(4位)DAX)、インフレは一時的、賃金上昇圧力ない。財政・金融政策による支援が必要
 ラガルドECB総裁は、ユーロ圏経済は予想より速く回復しているとしながらも、パンデミックが経済に傷跡を残さないよう、引き続き財政・金融政策による支援が必要との考えを示した。物価情勢については、基調的な物価圧力は引き続き抑制されていると指摘。秋にインフレが一段と高進する可能性があるものの、一時的な要因によるものとの見方を示した。レーンECB専務理事は、ユーロ圏のインフレ率が今後数年間、安定して上昇する見込みで、物価が異常に急騰するようなパラダイムシフトは想定していないという考えを示した。失業率が15%前後で推移し、賃金の伸びも弱い中、現在の比較的高い物価上昇が永続的な伸びにつながるとは考えにくいと指摘。「労働市場がこのような状態では、非常に強い賃金インフレを引き起こすことは非常に難しい」とした上で、「インフレ率は今後安定したペースで上昇するとみられるが、何か新しいパラダイムが起こるとは想定していない」と述べた。シュナーベルECB専務理事は、ユーロ圏経済が足元、急速に拡大しており、入手可能な経済指標は力強い回復を示しているという認識を示した。
「今、われわれは実際に転機を迎えていると言ってもよい。購買担当者景気指数(PMI)を含め、どの指標を見ても非常に好調かつ楽観的だ」と指摘。また、持続的な賃金上昇圧力はまだ見られないと述べた。

*ポンド通貨3位(3位)、株価11(11)位、パウエルFRB議長に続き、インフレは一時的と主張。感染拡大でのロックダウン延長
 先週後半弱含んだ。英中銀は、経済活動の再開に伴いインフレ率が3%を超えるとの見通しを示したものの、中銀の目標水準を超える物価上昇は「一時的」とし、政策金利と資産買い入れ枠を現行水準に維持することを決定した。金融政策委は9対0で政策金利を過去最低水準の0.1%に据え置くことを決定。社債買い入れ枠を200億ポンドに据え置くことも全会一致で決定した。国債買い入れ枠の8750億ポンドでの維持は8対1で決定。資産買い入れ枠は8950億ポンドに維持された。新型コロナ感染が再拡大し、EU離脱を巡る緊張も解消しない中、中銀は現時点で支援策を引き揚げる必要はないと強調。大部分の金融政策委員が「見通しに対する下向きリスクに留意し、金融情勢の尚早な引き締めで回復が頓挫することがないようにする」との認識を示した。感染拡大で新型コロナを巡る制限措置の解除を1カ月間延期されている。なお英首相官邸は、ジョンソン首相が7月2日にドイツのメルケル首相と会談すると発表した。「英独関係の深化や新型コロナウイルスのパンデミックに対する世界的な対応など様々な問題について協議する予定」という。

*豪ドル通貨6位(5位)、株価7位(9位)、FRBが引き締めならRBAも。他国も追随し落ち着く
 FOMCの利上げ予想前倒しで豪ドル円は85円から82円台へ下落したが、その後FRB議長のみならず、ECB総裁、BOE(英中銀)総裁らがインフレは一時的と表明したことで反発した。またメキシコが利上げしたことや、豪でもCBA銀行がRBAも政策引き締めサイクルを前倒しし、2022年11月に利上げを開始するとの予想を示した。これまでは、金利は少なくとも2023年半ばまで据え置かれるとみていた。ウエストパック銀行も、堅調な内容だった雇用統計を理由に、202年の早い時期の利上げ開始を見込んでいる。労働市場のタイト化ペースは驚異的で前例のない財政・金融刺激策が、経済と雇用創出を後押ししたとした。
 世界経済が深く結びついている以上、インフレもそれに対処する金融政策も似通ったものになるということだ。最初はサプライズなことでも、直ぐに慣れる。
不安要因は中国との軋轢がさらに深まり貿易戦争のような状態となってきたこと、双方で相手をWTOに訴えている。またコロナ新規感染者が拡大(といっても12人)が続いている状況を受け、ロックダウンの対象地域をさらにシドニー大都市圏、ブルーマウンテンズ、セントラルコースト、ウーロンゴンまで拡大すると発表されたこと。感染者は少なくともロックダウンの影響は後に出てくるだろう。

*NZドル通貨8位(8位)、株価15位(15位)、FRBの前に金融引き締めもあり
  NZドルも豪ドル同様に、いやそれ以上に回復した。FRBの動きにいずれ世界も追随すれば市場は平穏になる。そうなると強かった指標が生きてくる。1Q・GDPは、新型コロナ禍からの回復に伴い予想以上に増加した。これを受けて、想定より早期に金融引き締めを開始するとの観測が高まった。海外観光客が落ち込んだが、建設部門や内需はその影響を相殺する以上に回復し、GDP統計の織り込みに伴い利上げ前倒し観測が高まる、との見方が高まった。雇用や小売売上高などここ数カ月の各種指標も堅調な数字となっている。5月の住宅価格は中央値で前年同月比32.3%急騰し、82万NZドルとなった。政府が過熱を抑える措置を講じているにもかかわらず、供給不足を背景に価格が押し上げられた。中銀は5月、他の先進国に先駆けてコロナ禍で採用した金融緩和策からの転換を示唆している。ANZは中銀の利上げ時期予想について「1年後はあまりにも遠く感じる」として、2022年2月に前倒しするとした。

テクニカル分析

*ドル円「先週は連続陰線で終わる」
日足、先週は連続陰線で終わる。6月24日-25日の下降ラインが上値抵抗。6月21日-25日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。ボリバン2σ上限から小反落。
週足、3週連続陽線。20年2月17日週-21年6月21日週の下降ラインが上値抵抗。6月14日週-21日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン上位。
月足、一目の雲に突入。21年4月-5月の上昇ラインがサポート。2か月連続で109.30以下で下ヒゲが効いて上昇。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜くか。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「先週は反発も雲の中に入れず。先週後半は上ヒゲが長い」
日足、ボリバン3σ下限に沿って下落。雲の下へ。先週は反発も雲の中に入れず。先週後半は上ヒゲが長い。6月24日-25日の上昇ラインがサポート。6月16日-25日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、4週連続1.22以上を維持できず下落。雲上限で下げ止まる。4月5日週-6月21日週の上昇ラインがサポート。6月14日週-21日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、1月-5月の下降ラインが上値抵抗。4月-5月の上昇ラインを下抜ける。20年11月-21年4月の上昇ラインがサポート。雲の上維持。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「雲の上に出る。まだボリバン下位」
日足、雲の上に出る。6月21日-25日の上昇ラインがサポート。6月24日-25日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向く。
週足、ボリバン2σ上限から中位へ反落し反発。6月14日週-21日週の下降ラインが上値抵抗。1月18日週-6月21日週の上昇ラインがサポート。
月足、7か月連続陽線、ただ6月はここまで陰線。一時ボリバン中位へ下落。20年5月-11月の上昇ラインがサポート。18年2月-21年5月の下降ラインが上値抵抗。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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