昨日は日経平均が大幅な下落となりました。直近の高値から約1000円ほどの下落にて、場中はひたすら陰線が続いた格好です。その割にはドル円やクロス円が下がりません。 明確な理由があるわけではないのですが、個人的には日本の新型コロナ感染者の断続的な増加、オリンピック開催不可能要因など、日本円を買うメリットがどこにもないところでしょうか。
当コラムでは世界各国の新型コロナ感染者やワクチン接種状況を随時お伝えし、各国のコロナ状況に応じてマーケット戦略を立ててきました。 この1年、その戦略はおおよそヒットしていたと自負しております。そして、これからコロナ経済を克服した国々で本当のインフレ経済が始まると考えます。 その場合、大きく経済が回り始めた国と完全に出遅れた国々で明らかに差が出ます。その期間は少なくとも半年以上見積もっており、差が出てくるでしょう。 為替市場が動くには十分な時間があります。 例えば英国では昨日時点で、人口に対して約80%相当の回数のワクチン接種を終えております。 対して日本はわずか3.5%です。
イギリスは来週より、ロックダウンの第三段の解除に踏切ります。 6月には全経済活動を再開するとボリス・ジョンソン首相は唱えており、その流れに確実になりつつあるということです。 さて、そういった面を考慮して日本円を買う理由はあまりないでしょう。早速ポンド円から見ていきましょう。
目次
▼ポンドはアク抜けした?
▼ドル/カナダドルは利食いへ、カナダ円にもシフト!
▼サポートラインとフィボナッチが重なるポイントあり!
ポンドはアク抜けした?
ポンド円日足です。 日本の新型コロナワクチン接種率は、英国でいう昨年12月時点のレベルに値します。 ですので、ちょうど6ヶ月遅れという状況です。 言うならば、少なくとももう3-4ヶ月ぐらいは、このマーケットの流れに押されるかもしれません。引き続きポンド円は上昇トレンド再開方向で見ています。
直近1ヶ月間は調整期間だったと思います。 しかしながら日足のテクニカルでは、先月にRCIが反落の格好をしていたのにも関わらず、完全に下落失敗パターンの形状となりました。
※RCI52が80ラインを割り込み、RCI26が0.00ラインをほぼ同時期に割り込むタイミングが重なると、大きな調整相場に発展しやすい。
今月に入り、ポンド円は横ばい推移、徐々にアク抜けしていき、RCI26が再度プラス圏に上昇、上向き推移は見た目以上に強い相場になります。 つまり、ひろぴー的なトレードですと、再びロングできる形状というわけです。 このような高値からエントリーするの!?と驚かれるかもしれませんが、僕的には入るタイミングになります。 市場ポジションは一巡していると想定しており、よって押し目も比較的浅いと考えております。サポートラインは152.40付近に引けますので、まずこのあたりからの買い指値注文を残しておきたいと思います。
ドル/カナダドルは利食いへ、カナダ円にもシフト!
前回コラムでは1.24水準でしたが、あっというまにターゲットの1.21に到達してしまいましたので、一度利食いとなりました。 再度、戻りを待ってエントリーしていきたいと考えております。 目処と致しましては、一番近いレジスタンスラインからの打診売りです。
但し、ドルも強含む可能性もあると感じていますので、1.21928あたりにレジスタンラインが引けますが、少しダマシで上方向に抜けるかもしれません。ストップをハンティングして下落するとしたら、イメージ的には1.2210-1.2225ぐらいまで上ヒゲ残して反転を少し意識もしております。 ですので、少し慎重なエントリーを心がけたいと思います。いずれにしても先日のポジションは一旦手仕舞いし、再度ショートエントリーをする格好を取る予定です。
サポートラインとフィボナッチが重なるポイントあり!
そして最後にカナダ円です。クロス円上昇のほうに妙味をもっておりますので、ドル/カナダドルも良いですが、カナダ円にポジション比率を多少移してシフトしていきたいと考えました。 強い上昇トレンドは4時間足で継続中です。前回コラムでご紹介した通り、小麦や木材などソフトコモデティが上昇していることから、カナダドルとNZドルに注目をしていたわけです。 この目線は変わっておりません。特にカナダドルはテーパリングを開始しているため、直近では一番強い通貨になる可能性があるというわけです。さて、この4時間足で上昇トレンドは継続前提でお話をします。
直近、絶好の押し目買いを狙うなら、サポートラインが引けそうな89.10円付近です。 フィボナッチも引いてみたところ、23.6%押しの水準にもいることから、テクニカル的な条件がこのあたりに重なっております。よって、カナダ円は89.00-89.25円からのエントリーを狙い、90円超えを狙っていきたいイメージです。
カナダのワクチン接種率も42%で推移しており、英国よりも2ヶ月遅れぐらいですが、北米経済圏を考えると、米国の経済回復を加味して、十分カナダ買いにもポテンシャルがあるように個人的には考えます。
今週も引き続きカナダロングを継続、そして新たにポンド円も打診買いですが、エントリーをしていこうと考えております。
以上、ひろぴーの週後半戦略でした。
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FX&Cryptoトレーダー、業界ニックネームは「ひろぴー」。ラジオ日経パーソナリティ、FX会社や仮想通貨取引所のコラムニストとして活動の場は多岐に渡る。自らのトレーディングノウハウから、ユーザビリティの高いインターフェース総監督を担う。FX会社や金融プラットフォーム開発エンジニアリング企業、仮想通貨取引所へのコンサルティング業が主。 2019年7月より TradingView Japan の Marketing Director に就任。