
昨日の振り返り:中東情勢の乱高下と米金利の底堅さ
昨日のドル円は、「中東の緊張緩和への期待」と「米金利上昇によるドル買い」が交錯する荒い値動きとなりました。
中東情勢による急落
イランが米国に対し、核開発問題の棚上げとホルムズ海峡の封鎖解除を条件に戦闘終結を提案したとの報道を受け、原油先物価格が下落。リスクオフのドル買いが巻き戻され、一時159.109円まで押し下げられました。
米5年債入札の低調と金利上昇
しかし、NY時間後半には流れが逆転。米5年債入札の結果が「テイル(最高落札利回りと発行前取引利回りの差)」を記録するなど需要の弱さ(低調)を示したことで、米長期金利が上昇しました。
原油価格の持ち直し
また、和平協議への期待が先行しすぎたとの見方から原油価格が下げ止まると、ドル円は再び買い戻され、159円台半ば(159.461円付近)まで値を戻して引けました。
本日の見通し:日銀の「出口戦略」への姿勢が最大の焦点
本日アジア時間のドル円は、日銀金融政策決定会合の結果発表を前に159.50円前後で膠着状態にあります。
■注目ポイント
日銀の利上げ見送りとその「先」
今回の会合での利上げ見送りは市場のコンセンサス(織り込み済み)です。焦点は、「6月・7月の追加利上げをどの程度強く示唆するか」に移行しています。
展望リポートと利上げ票
政策委員の中に利上げを主張する反対票が出るか、また展望リポートで物価見通しが上方修正されるかが、円買い・円売りのトリガーとなります。
植田総裁の会見(15:30〜)
総裁が最近の円安進行に対して「物価への影響」を強調し、タカ派なトーン(早期利上げに前向き)を強めれば円買い。逆に、慎重姿勢を崩さなければ「日米金利差」が改めて意識され、160円台を伺う円安進行のリスクがあります。
予想レンジと戦略
想定レンジ:158.80円 ― 160.50円
戦略:基本は日銀の現状維持による「円売り」の継続が想定されますが、総裁会見でのサプライズ的なタカ派発言による急落(スパイク)には十分な警戒が必要です。中東情勢の続報も引き続き不透明なため、ニュースヘッドラインによる突発的な動きにも備えておくべき局面です。
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黒川健
米国Capital Market Services LLCニューヨーク本社および上田ハーロー株式会社でカバーディーラー、プロップディーラーを約20年間務める。2021年9月(株)外為どっとコム総合研究所入社後は、テクニカル分析、ファンダメンタル情報を配信している。
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