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メキシコペソ/円見通し「対ドルで大幅上昇...金利差を意識したキャリートレード」【知っトク!メキシコペソ】#外為ドキッ 2025/8/18

このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。

執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト 神田卓也

X(Twitter): https://twitter.com/KandaTakuya

キャリートレード活発化 米貿易政策はなおも不透明 

 メキシコペソの対ドル相場は7月後半に18.51ペソ前後まで上昇。トランプ米大統領による「相互関税」の発表を受けて4月に付けた21.08ペソ前後の安値から12%超の大幅高である。現在(8月18日)も18.75ペソ前後で推移しており高値圏を維持している。

 

 こうしたペソの堅調について英FT紙は、米国の関税延期で金利差を意識したキャリートレードが再燃していると報道。「メキシコとカナダは、米国・メキシコ・カナダ貿易協定(USMCA)の遵守品目に対する免除措置のおかげで、他のほとんどの国よりも米国との貿易条件が良好であり、両国の輸出の大部分は関税なしで米国に向かっている。7月31日、メキシコは米国の「相互関税」の免除対象外品目に対する90日間の延長を確保したが、カナダはこれを逃した。「カナダドルは過去3カ月でわずか1.4%しか上昇していない」として、メキシコペソの優位性を強調した。

 

 なお、メキシコの政策金利は7.75%と米国より300bp(3.00%ポイント)以上高く、インフレを加味した実質政策金利も7月時点で米国より250bp以上高い。両国ともに今後は利下げが行われる見通しだが、それだけに金利差は当分縮まらないとの見方が強い。こうした思惑がキャリートレードを活発化させているようだ。ただし、来年のUSMCA見直しに向けて今年後半には協議が始まる可能性がある点には警戒が必要だろう。米国の貿易政策は引き続き不透明と言わざるを得ない。投資家のポジションがすでにドルショート(売り持ち)に傾いていると見られることもあって、ペソロング(買い持ち)解消のきっかけになることも考えられる。

メキシコペソ/円 週足チャート

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kanda.jpg 株式会社外為どっとコム総合研究所 シニア為替アナリスト
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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