ドル円 中東情勢への警戒感で有事のドル買い進む
今週初めのドル円は中東情勢の緊迫化を受けて売り買いが交錯する中、144円台前半でスタートしました。
先週末にイスラエルがイランに攻撃を行ったと報じられたことを受けてリスク回避の円買いと有事のドル買いが交錯し、ドル円は142円台後半へ下落した後144円台半ばへと反発し荒い動きとなりました。
週明けの16日(月)は中東情勢への警戒感が続く中で上値の重い動きとなり、一時143円台後半まで下値を拡大しましたが、イスラエルとイランの戦争に米国が介入する可能性が意識されて有事のドル買いが強まり、17日(火)にかけて144円台後半へと上昇しました。
17日まで開かれた日銀の金融政策決定会合では市場予想通り政策金利の0.5%程度への据え置きと国債購入の減額幅を縮小する方針が決定されましたが、米関税政策の影響が見通せない中で相場への影響は限定的となりました。
その後も中東情勢の悪化が懸念される中で有事のドル買いが進み、18日(水)には145円台前半へと上値を伸ばしましたが、18日午後はドル買いの勢いが弱まり144円台後半へと失速しました。
19日(木)未明には米FOMCで政策金利の据え置き決定と年内2回の利下げ見通しが維持されたことが伝わり、一時144円台前半まで下落しましたが、パウエルFRB議長があらためて利下げを急がない姿勢を示したことで145円台を回復しました。
その後「米国は近日中のイランへの攻撃を準備している」との一部報道を受けて145円台後半へと上昇したものの、トランプ大統領の「近くイランとの交渉が行われる可能性がある」との声明を受けて有事のドル買いは収まり、20日(金)午前には145円台前半へと失速しました。
今週のドル円は中東情勢の緊迫化が懸念される中で有事のドル買いが進む展開となりました。日米の政策金利発表イベントでは両国とも市場予想通り政策金利の据え置きが決定されましたが、市場の関心が米関税政策や中東情勢に向けられる中で金融政策による相場への影響は限定的となりました。
来週は米5月新築住宅販売件数や米5月個人消費支出(PCE)などの重要イベントが予定されています。引き続き米関税政策や中東情勢に振らされる相場となることが予想され、米指標とともにこれらに関する続報に要注目となりそうです。
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