読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

南アフリカランド 月間為替予想「南アフリカランド対ドル相場の底堅さ継続か」FXレポート 2025年6月

南アフリカランド相場見通し

 

グローバル要因とランドの連動性

南アフリカ・ランドの対ドル相場は、グローバルな為替市場におけるリスクセンチメント、そしてそれを大局的に反映して変動する安全通貨であるドルの名目実効為替レートと基本的に連動性が高い(第1図)。4月9日にトランプ政権による相互関税の90日延期が発表されて以来、金融市場ではリスク選好が回復に向かい、ドルが下落に転じるとランドも対ドルで上昇基調へ転換した。5月12日には米中間で報復関税の一部取り下げと通商協議の開始が発表されたこともこうした流れを支援している。


第1図:南アフリカ・ランド対ドル相場とドル名目実効為替レート(資料)Bloomberg

国内要因とランド相場の展望

特にランドは5月に入り主要な通貨の中でも比較的底堅い推移がみられて来た。4月2日に相互関税が発表された直後のランドの急落が大きかったことの反動もあるが、国内要因も一定の支援材料になっているようだ。例えば4月24日に連立政権内の意見対立につながっていた2025年度政府予算案が政府により議会から一旦取り下げられ、一先ず連立崩壊のリスクが後退した。同予算案はその後5月21日に議会に修正・再提出され、承認されている。また、南アフリカ準備銀行(SARB)によるインフレ目標(第2図)の引き下げ(現行3~6%→3%近辺)については、以前から議論されて来たがいよいよ近く発表があるのではとの観測も、金融引き締め傾向につながることからランドの支援材料になっている模様だ。


第2図:南ア政策金利とCPI前年比(資料)Bloomberg

本稿脱稿後の5月29日のSARBの次回金融政策委員会で何らかのコメント・発表がある可能性もある。5月21日のラマポーザ大統領とトランプ大統領との会談ではやや混乱があったものの、両国間の貿易や投資を巡る協議には一定の進展があった模様でもあり、これまでのところ大きなランド売り材料にはなっていない。但し、5月16日にムーディーズが米国債の最上級格付けからの引き下げを発表した頃から米株価の上値が再び重くなり始めており、ランドは対ドルでは底堅さを維持しているが、それ以外の通貨に対してはやや上値の重さがみられ始めている。足元ではトランプ大統領がEUに対して新たな関税の引き上げを表明しており、市場のリスク選好が再び後退する状況となれば、ランドにはマイナスに作用しよう。

【南アフリカランド/円 日足】

南アフリカランド 特設サイト:
 南アフリカランドのスワップポイントと見通し|初心者でも分かるFX投資|外為どっとコムのFX

チャート:
為替チャート・FXチャート | 外為どっとコムのFX | 初心者にもわかるFX投資

店頭FX(外国為替保証金取引)における新興国通貨取引のリスクについて
当社取扱通貨のうち、いわゆる新興国通貨に分類されるトルコリラ・南アフリカランドおよびメキシコペソ(MXN)はインターバンク(銀行間為替市場)における流動性が主要国通貨に比べ相対的に低く、経済指標発表のみならず金融政策変更やその他政治的要因、さらには地政学的リスク等の要因による突発的な相場急変動が起こりやすい環境下にございます。また、こうした急変動時には実勢インターバンクレートのスプレッド(BidとAskの差)も平常時に比べ大幅に拡大する傾向にあり、その場合には当社でもやむなく提示スプレッドを一時的に拡大することがございます。あわせて、相場状況により「ダイレクトカバーの対象となる注文」の基準Lot数(最低数量)を一時的に変更する場合がございますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願いいたします。これら新興国通貨のお取引、およびこれらを対象とするキャンペーンへのご参加に際しては、以上につきあらかじめご留意のうえ、ポジション保有時、特に法人会員様の高レバレッジ取引における口座管理には十分ご注意くださいますようお願い申し上げます。以上の新興国通貨それぞれのリスク、および直近時点でのリスクレポートにつきましては、こちらのページをご参照願います。
新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
橋本 将司氏 公益財団法人 国際通貨研究所 経済調査部 上席研究員
橋本 将司(はしもと・まさし)氏
慶應義塾大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。国際通貨研究所研究員、グローバルマーケットリサーチ・シニアアナリスト、経済調査室ニューヨーク駐在などを歴任し、グローバルな為替市場やマクロ経済に加え、米国金融業界や金融規制など幅広い分野の調査業務に従事。現在国際通貨研究所において、為替市場や主要国の金融政策・マクロ経済動向の分析を担当。理論的な観点からの為替市場分析を得意とする。
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。