ドル円、152円台へ下落…日銀早期利上げ観測や米長期金利の低下で下押し
欧米時間のドル/円予想レンジ:152.000-154.000円
東京市場のドル/円は、154円を割り込む展開。日本の実質賃金が昨年11月に続き12月もプラスとなったことで日銀による早期利上げ観測が強まり円買いに傾きました。154円を明確に下抜けると午後には一時153.09円前後まで下落しましたが、一巡後は153円台半ばへ持ち直しています。ただ、欧州市場に入ると米長期金利の低下などを背景に売り圧力が強まると昨年12月13日以来となる152.64円前後まで下値を切り下げました。
今夜は米1月雇用統計の前哨戦である米1月ADP全国雇用者数が発表されます。市場予想は15.0万人増と前回(12.2万人増)から増加すると見られています。なお、前日の米12月JOLTS求人件数は市場予想を大幅に下回りました。仮に1月ADP全国雇用者数も市場予想や前回値を下回る結果になれば労働市場の減速が意識されてドル売りが強まる可能性があるため注目です。その他、24時の米1月ISM非製造業景況指数にも注目しましょう。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、154.00円を明確に割り込んだことで下落の勢いが強まると一時200日線を下抜けて152.60円台へ下値を拡大しました。同線が下値支持として意識されるようだと153円台へ持ち直すことが考えられますが、明確に下抜けた場合は152.00円を視野に入れた展開となる可能性もありそうです。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
2/5(水)
21:30 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演
22:15☆米1月ADP全国雇用者数
22:30 カナダ12月貿易収支
22:30 米12月貿易収支
23:00 レーンECB専務理事講演
23:45 米1月サービス業PMI・改定値
24:00☆米1月ISM非製造業景況指数
24:30 EIA週間原油在庫統計
28:30 グールズビー米シカゴ連銀総裁講演
29:00 ボウマンFRB理事講演
2/6(木)
09:30 ジェファーソンFRB副議長講演
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
主要な経済指標・重要イベントの結果について、最新情報は外為どっとコムサイトの「経済指標カレンダー」で確認できます。
お知らせ:FX初心者向けに12時からライブ解説を配信
外為どっとコム総合研究所の調査部に所属する外国為替市場の研究員が、FX初心者向けに平日毎日12時ごろからライブ配信を行っています。前日の振り返り、今日の相場ポイントなどをわかりやすく解説しています。YouTubeの「外為どっとコム公式FX初心者ch」でご覧いただけます。

宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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