メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年1月24日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
豪ドル/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週の豪ドル/円は底堅いながらも荒い値動き
20日に米国の大統領に就任したトランプ氏が、中国などに対する関税の即時発動を見送ったことで97円台後半へと上昇。21日には、トランプ米大統領がカナダとメキシコへの関税に言及したことで96円台に差し込む場面もありましたが、欧米株の上昇を背景に97円台を回復するなど底堅く推移しました。22日は、トランプ関税が当初の想定より緩やかなものにとどまるとの観測から世界的に株価が上昇する中、98円台へと上伸。23日こそ小動きでしたが、24日には、トランプ米大統領が「できれば対中関税は使いたくない」と発言したことで98.64円前後まで急伸したのち、日銀の利上げ決定を受けて日本株が上げを消したことから97円台に押し戻されるなど、外部要因に振り回される形で荒い値動きとなっています。
今週の豪ドル/円の注目ポイントは10-12月期CPI
29日(水)に豪10-12月期消費者物価指数(CPI)が発表されます。2月18日に予定されている豪中銀(RBA)理事会における利下げを占う手掛かりのひとつと見られることから、市場の注目が集まっています。豪金利先物の2月利下げの織り込みは77%前後(1月23日13時時点)で、利下げの可能性が高いものの市場が確信するまでには至らない状況です。だからこそ、CPIの結果がより重要になると考えられます。市場予想は前年同期比+2.5%となっており、7-9月期の+2.8%から鈍化する見通しです。コアCPIにあたるCPIトリム平均値も+3.5%から3.3%に鈍化すると予想されています。ただ、RBAが重視するCPIトリム平均値は予想通りだったとしてもインフレ目標(2-4%)の中心を上回る水準にとどまることになります。市場が2月利下げを確信するためには、CPIトリム平均値の予想以上の鈍化が必要になるでしょう。
今週の豪ドル/円の見通し
予想レンジ
96.000円~99.500円
基調
方向感模索
今週の注目ポイント
☆1/29 豪10-12月期CPI
・主要国株価、国際商品価格

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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