主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2024年10月29日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼28日(月)の為替相場
(1):衆院選与党過半数割れで窓開けオープン
(2):中東情勢を巡る過度な懸念が後退
(3):米債入札は不調
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:154円付近は目先の上値目途として意識されそう/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
28日(月)の為替相場
期間:28日(月)午前7時00分~29日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):衆院選与党過半数割れで窓開けオープン
27日に投開票された衆議院選挙で自民・公明の与党が過半数議席を割り込んだことで円売りが先行。ドル/円やクロス円は前週末の終値から上方向にマドを開けて取引が始まった。政治の混乱が懸念されたほか、混乱によって日銀の追加利上げが困難になるとの見方が広がった。ドル/円は仲値公示後に153.88円前後まで上昇して7月末以来、約3カ月ぶりの高値を付けた。
(2):中東情勢を巡る過度な懸念が後退
前週末26日のイスラエルによるイランへの報復攻撃が石油施設を標的としない抑制的なものだったことから、中東情勢を巡る過度な懸念が後退。欧州市場に入りNY原油(WTI)が下げ幅を拡大する中で米欧の長期金利が低下すると円を買い戻す動きが強まった。
(3):米債入札は不調
米2年債入札(690億ドル)は落札利回りが上昇したほか応札倍率が前回を下回った。一時低下していた米長期金利が入札の不調を受けて再び上昇する中、ドル買いが優勢となった。その後に行われた5年債入札もやや不調となったことでドル/円は153.30円台へと持ち直した。
28日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
【情報提供:外為どっとコム】
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:154円付近は目先の上値目途として意識されそう
昨日のドル/円は週末に行われた衆議院選挙で自民・公明党が過半数議席を獲得できなかったことで、日本の政局先行きに対する不透明感が生じた。これにより日銀の金融政策正常化の遅れにつながるとの思惑から、一時153.88円前後まで上昇し7月31日の高値に並んだ。もっとも、154円に近付くと戻り売りが出た模様で、その後は一時152.40円台に押し戻される場面もあった。本日も154円付近は目先の上値目途として意識されそうだ。市場の注目は明日からの日銀政策決定会合に向いており、植田総裁の会見から今後の政策運営に関するヒントを探すことになる。また、本日のNY市場では米9月JOLTS求人件数や同10月消費者信頼感指数が発表される。米連邦準備制度理事会(FRB)の政策運営は米労働市場の状況次第となっていることから、これらの経済指標の結果にも注意したい。
注目の経済指標:JOLTS求人件数
注目のイベント:米7年債入札
※時間は日本時間での表示になります。
※「注目の経済指標」「注目のイベント」は注目度が高い順に「◎」「○」「無印」で表示しております。
※発表時刻は予告なく変更される場合があります。また、予定一覧は信憑性の高いと思われる情報を元にまとめておりますが、内容の正確性を保証するものではございませんので、事前にご留意くださいますようお願いいたします。
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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