このレポートでは、メキシコペソとアメリカ経済や日本円との為替レートの動き、メキシコペソの見通し、そしてその影響を受ける可能性がある要因について詳しく解説します。
執筆:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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ペソ選好の動き後退 次期政権や米大統領選を巡る不透明感が重し
前週5日のペソ/円相場は前日比0.4%安い8.880円前後でクローズ。米6月雇用統計の直後には8.929円前後まで上昇する場面もあったが、米雇用市場の減速はメキシコ経済の重しになりかねないとの見方もあって失速した。ペソは、6月雇用統計を受けて弱含んだドルに対してもほぼ横ばいでクローズしており、この日堅調だったブラジルレアルやコロンビアペソなど、他の中南米通貨とは異なる動きとなった。
足元でペソ選好の動きが後退している背景には、シェインバウム次期メキシコ大統領のエネルギー政策や財政政策に対する不透明感がくすぶっていることや、移民などに絡んでメキシコに対して強硬な姿勢を示すトランプ氏が米大統領に返り咲く可能性が高まったことなどがあると考えられる。
メキシコでシェインバウム政権が発足するのは10月、米国の大統領選は11月に行われる。両国の政治情勢を睨みつつ、夏から秋にかけてペソは上値の重い展開が続く可能性もありそうだ。
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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