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メキシコペソ 月間為替予想「引き続き高金利を維持?チャートは下落トレンド入り」FXレポート 2023年10月

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目次

▼メキシコの経済状況
▼メキシコ中銀の金融政策
▼メキシコペソの予想

メキシコの経済状況

メキシコ中銀が指摘するようにメキシコ経済は想定以上に強い状況が続いています。米国経済が堅調な影響が出ています。
メキシコの9月の自動車生産台数は33万8899台となり前年同月比比24%増加しました。増加は17カ月連続となり半導体不足が解消したことなどが寄与しています。このうち30万1341台が輸出に回りました。
メキシコ中銀の発表によると8月のメキシコへの送金が55億6300万ドルと前年同月比8.6%増加しました。増加は40カ月連続です。メキシコの出稼ぎ労働者は米国が多く、メキシコの通貨高による送金額の目減り分を見越した増加もあるようです。

メキシコ中銀の金融政策

9月28日の会合でメキシコ中銀は政策金利を11.25%に据え置き、4会合連続の据え置きとなりました。
声明では「インフレ率は依然として高いが低下傾向が継続している」としました。しかしインフレ見通しを若干上方修正しました。その理由として経済の堅調さをあげており、インフレに対しては依然として警戒感を緩めていないことが確認されました。
インフレ率の3%への持続的な低下を達成するために、政策金利を長期間にわたって現行水準で維持することが必要になるだろうとした文言はそのまま維持されました。
ブラジルをはじめ他の南米諸国がすでに緩和サイクルに入った中で、メキシコ中銀は引き締めスタンスを今後も維持するスタンスを示しています。

メキシコペソの予想

ドル/ペソは7月に16.625ペソ、8月に16.6945ぺソとダブルボトムとなり、ここまでレジスタンスになっていた16.80ペソを上抜けして18.49ペソまで上昇しています。
25日移動平均線は17.60,75日移動平均線は17.40付近でいずれも上昇トレンドになり中期的な上昇局面になっています。
250日移動平均線が位置する18.10~20附近も上抜けしており、短期的には17.80~18ペソ付近が維持されば上昇トレンド継続と予想します。
2020年の高値25.78~今回の安値16.625ペソのフィボナッチ・リトレースメント23.6%戻しが18.80付近、38.2%戻しが20.10ペソ付近となり、このレベルが上昇トレンドのターゲットとみています。
ペソ/円は2007年の高値11.53円付近~2020年の安値4.50円付近のフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しが8.75円付近と今回の高値8.77円台に近く一旦天井を形成したのではないかとみています。ちなみに2014年の高値もこのレベルでした。
25日移動平均線が8.45円付近、75日移動平均線が8.39円付近に位置し、いずれも下落トレンドになっています。
ペソ/円はこの移動平均線が位置する8.39~8.45円のゾーンが戻り高値の目途とみています。
安値の目途としては250日移動平均線が位置する7.8円付近、3月の高値の7.6円付近とみています。今後7.6~8.4円のレンジを予想します。

メキシコペソ円日足

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新興国通貨が高金利である理由について
新興国に分類される国々は概して政治リスクや財政リスクが先進国よりも高く、したがってその経済的信用度は相対的に低い水準にあります。こうした条件下では海外投資家の資金を呼び寄せられず、経済発展の支障となるため、金利を上げたり税金を安くしたりすることで、信用度の低さを補いうる投資環境を構築しようとします。そのため新興国通貨は一般に先進国通貨よりも高金利となる傾向にありますが、前述したように各種リスクが高い水準にあることから、長期的には先進国通貨に比べて価値が下がる(=通貨が下落する)条件を備えているともいえます。
 
YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役 米系のシティバンク、英系のスタンダード・チャータード銀行で、20年以上にわたり、為替ディーラーとして活躍。現在は投資情報配信を主業務とする株式会社ADVANCE代表取締役。ドル、ユーロなどメジャー通貨のみならず、アジア通貨をはじめとするエマージング通貨でのディーリングについても造詣が深い。また、海外のトレーダー、ファンド関係者との親交も深い。YouTubeなどで個人投資家に対して為替に関する情報を発信しており、人気を博している。
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