執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
カナダドル/円(日足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
直近1週間のポイント
・日銀YCC柔軟化で104円台へ円高
・材料出尽くしで一転して円安へ
・日銀臨時オペで円続落も108円で伸び悩む
「足元のカナダドル/円は大幅反発も108円台で伸び悩む展開」
日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)の柔軟化を議論していると報じられた27日には107円台から一時104円台へと急落。翌28日に日銀が実際にYCC柔軟化を発表すると104.21円前後まで下落しました。しかし、材料出尽くしとの見方や、日銀の緩和姿勢に変化はないとの見方から円売りが強まると一転して106円台に上昇するなど激しい値動きとなりました。31日には日銀が臨時の国債買い入れオペで長期金利の上昇を抑制する姿勢を示したことでさらに円安が進み108.13前後まで上伸。ただ、108円台に乗せると戻り売りが優勢となり、1日には107円台半ばへ、2日には107円台前半へとそれぞれ弱含む場面がありました。
「目先のカナダドル/円の注目ポイントは雇用統計」
4日にカナダ7月雇用統計が発表されます。米国の7月雇用統計と同日同時刻に発表されるとあって関心は薄れがちですが、カナダ中銀(BOC)の追加利上げの判断に影響する可能性がある重要統計だけに注目しておきましょう。カナダ中銀は6月に利上げを再開し、7月には政策金利を5.00%に引き上げました。マックレム総裁は7月会合後に「新たな情報で一段の措置が必要だと示唆されれば、政策金利をさらに引き上げる用意がある」と表明しています。ただ、その後に発表されたカナダ6月消費者物価指数(CPI)が予想以上に鈍化したことなどから利上げ期待が後退。2日時点でカナダ金利先物市場が織り込む次回9月会合における25bp(0.25%ポイント)の追加利上げの確率は30%強にとどまっています。カナダ7月雇用統計の結果によって利上げの織り込みが変化する可能性が高く、その影響はカナダドル相場にも及ぶ公算です。
当面のカナダドル/円の見通し
予想レンジ
105.000円~109.000円
基調
方向感模索
来週までの注目ポイント
・8/4☆カナダ7月雇用統計
・主要国株価、国際商品価格
カナダドル/円(CAD/JPY) 為替チャート・FXチャートはこちら
神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。