ドル・円は上げ渋りか、日米金利差で一段高も節目の水準を意識

欧米市場オープニングコメント

「ドル・円は上げ渋りか、日米金利差で一段高も節目の水準を意識」
　29日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。日米金利差によるドル高・円安により、水準を切り上げる見通し。ただ、心理的節目の145円近くではドル売りが見込まれる。また、日本政府による円安けん制は過度な円売りを抑制しそうだ。
　前日は月末特有の動きがユーロ売りを強め、ユーロ・ドルは1.09ドルを割り込む場面があった。一方、欧州中銀（ECB）開催の年次総会で、パウエルFRB議長はインフレ抑止の必要性を強調。それを受け米長期金利が短期的に上向くとドル買い優勢となり、ドル・円は昨年11月以来となる144円60銭台に浮上した。本日アジア市場で米金利は小幅に持ち直しドル買い先行。その後はドル売りに振れたが、日本株高を好感した円売りが強まった。
　この後の海外市場は各国金融政策が主要テーマ。前日まで開催されたECBフォーラムで欧米中銀がタカ派姿勢を強めたのに対し、日銀の緩和姿勢が際立ち、主要通貨は円に対し強含む展開が続く。FRBの利上げ継続観測で、ドル・円はさらに上値を切り上げる見通し。ただ、米金融政策決定に影響を与える30日のコアPCE指数を見極めようと、上昇一巡後は様子見ムードに。ドル・円は心理的節目の145円が視野に入り、利益確定売りが観測される。

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