株式会社外為どっとコムの完全子会社である株式会社外為どっとコム総合研究所(以下、「外為どっとコム総研」、本社:東京都港区、代表取締役社長:竹内 淳)は、個人投資家の外為投資に役立つ外国為替情報の調査・研究を行なっており、FX投資家の実態を調査しましたので、お知らせします。
FX取引、取引金額1000兆円回復 USD/JPY(米ドル/円)取引がけん引
1.一般社団法人金融先物取引業協会 FX投資家動向まとめ
店頭FX取引、EUR/JPY(ユーロ/円)が2位へ浮上
金融先物取引業協会が4月14日に公表した資料によると、2023年3月の店頭FXにおける取引金額は1184兆円と、2月から約32.1%増加した。また、月末時点の未決済ポジション合計は約8.2兆円と、前月末比約2.8%増と3カ月連続で前の月を上回った。取引金額の増加は、USD/JPY(米ドル/円)の取引額が約28.5%増加したことが要因だった。
また、取引金額上位の5通貨ペアは、USD/JPY(米ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)の順で、EUR/JPY(ユーロ/円)が2位へ順位を上げた一方、AUD/JPY(豪ドル/円)が4位へ後退した。
(出所)金融先物取引業協会の「店頭FX月次速報」をもとに、当社が作成。
左軸-取引金額、右軸-建玉計
グラフ中のデータ単位は百万円
2. 株式会社外為どっとコムFX投資家動向2023年3月
個人投資家、3カ月連続で収支はプラス-金利先高観が分かれ目
FX口座数が56万件を超える株式会社外為どっとコム協力の下、2023年3月のFX投資家動向を調査した。
調査対象:株式会社外為どっとコムのFXサービス「外貨ネクストネオ」利用者(約56万口座)
調査機関:株式会社外為どっとコム総合研究所
調査対象:調査期間中にFXサービス「外貨ネクストネオ」の新規口座開設およびFX取引をした顧客
調査期間:2023年3月1日7:00 ~ 2023年4月1日6:00
調査方法:対象期間中の取引データより抽出(特定の個人を識別できないよう個人情報を匿名化した上で行っております。)
2-1.FX取引における実現損益
FX取引における実現損益でプラスは53.3%、マイナスは46.6%となった。プラスは前月比5.4%ポイント減少したが、個人投資家は3カ月連続で収益を積み上げた。米地銀のシリコンバレー銀行の破綻、スイス金融大手のクレディ・スイスの経営不振から典型的なリスクオフ相場となり、トレンドがある程度、明確になったことで投資家は取引機会に恵まれたと推察できる。
2-2.通貨ペア別取引者数
通貨ペア別取引者数のトップ10は、USD/JPY(米ドル/円)・AUD/JPY(豪ドル/円)・EUR/JPY(ユーロ/円)・GBP/JPY(ポンド/円)・MXN/JPY(メキシコペソ/円)・EUR/USD(ユーロ/米ドル)・NZD/JPY(NZドル/円)・GBP/USD(ポンド/米ドル)・ZAR/JPY (南アフリカランド/円)・AUD/USD(豪ドル/米ドル)の順。
USD/JPY(米ドル/円)は相変わらずのトップだったが、EUR/JPY(ユーロ/円)がGBP/JPY(ポンド/円)を抜いて順位を上げたほか、MXN/JPY(メキシコペソ/円)やZAR/JPY (南アフリカランド/円)も好調だった。金利の先高感が相対的に強い国の通貨が総じて順位を上げる格好になった。
2-3.平均取引数量
FX投資家の1注文あたりの平均取引数量は4.0万通貨(40Lot)と前月から縮小。昨年秋以降、拡大傾向が続いていたがその勢いが一服した。為替相場の方向性が見通しづらい中で、個人投資家がリスクを避けて慎重に取引した様子が窺える。 USD/JPY(米ドル/円)は、1Lotあたり5,400円の必要保証金(4/14時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は約21万6,000円となる。MXN/JPY(メキシコペソ/円)は、1Lotあたり300円の必要保証金(4/14時点、法人口座除く)がかかるため、1注文あたりの必要保証金額は1万2,000円となる。
※現在の取引保証金額はコチラで参照いただけます。
2-4.口座の開設期間
取引をしたFX投資家の口座開設後の期間は、平均104カ月(8年8カ月)と前月からわずかに拡大した。昨年12月の105カ月をトップに2カ月連続で縮小していた流れに底打ち感が見られた。
2-5.FX投資の年齢分布
FX投資家の年代別では40代が33%と最多で、次に50代、30代と続く。性別は、男性が8割近くを占めた。
2-6.FX口座開設者動向
新規にFX口座を開設した投資家は、30代が最多となり、続いて40代、20代、50代の順となった。30代、40代のメイン取引層が割合を回復させた。
3.まとめ
2023年3月のFX取引は、USD/JPY(米ドル/円)の取引数量が回復し、全体をけん引した。ボラティリティが高まったことで、参入ポイントの判断は難しかったと思われるが、その分を取引回数などでカバーし収益を積み上げた様子が窺えた。また、取引通貨の選別では、金利の先高観測の強い国の通貨を取引する傾向が見られ、取引相手国の金融政策の動向に個人投資家が一層、着目している様子が感じられた。
※過去の調査結果は、マネ育ch( https://www.gaitame.com/media/ )よりご参照ください。
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