超円安・為替介入に揺れた2022年のFX個人投資家、約半数は取引額、トレード回数が増えるも損益はマイナス【外為短観 第163回】

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<第163回調査>2022年12月24日

外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。

分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所

調査実施期間
2022年12月16日(金)13:00~2022年12月20日(火)24:00

調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。

調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は689件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください
問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください
問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください
問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください
問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか
問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか
問7-1:2022年のFX取引についてお聞きします。 年間の損益は?
問7-2:年間の損益率は?
問8-1:2022年のFX取引についてお聞きします。 前の年と比べて取引回数は?
問8-2:取引回数の増減率は?
問9-1:2022年のFX取引についてお聞きします。 前の年と比べて取引金額は?
問9-2:取引金額の増減率は?
今後の調査実施計画及び公表方針

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が34.0%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は36.3%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は▼2.3%ポイントと前月の△9.3%ポイントから2021年4月調査以来のマイナス(弱気)に転じた。米ドル/円相場は、調査期間最終日に日銀がイールドカーブコントロール(YCC)の長期金利の変動幅を±0.25%程度から±0.50%程度へ拡大したことで急速に円買いが強まり137円台から一時130円台まで下落した。調査期間前から米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを減速させたことなどから上値の重い展開であったが、日銀によるYCCの変動幅変更によって円高・米ドル安が進むと考える個人投資家は、より一層増えた可能性もある。

今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が150.00円、最安値が125.00円となり、高値の平均値は140.18円、安値の平均値は132.45円であった。高値の中央値は140.00円、安値の中央値は133.00円だった。前月調査から3~5円程度、円高・米ドル安方向へシフトしている。なお、日銀の金融政策発表後に回答された安値の中央値は130円だった。

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※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、32.7%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は24.2%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△8.5%ポイントとなり、前月の△9.0%ポイントからプラス幅が僅かに縮小した。調査期間前後のユーロ/円相場は、欧州中銀(ECB)が主要政策金利を0.50%引き上げたことやラガルドECB総裁のタカ派発言を受けて約1カ月ぶりの高値146.70円台まで上昇した。しかし、ユーロ圏の景気減速懸念が浮上したことや日銀の金融政策発表後の急落で一時、138.79円前後まで下落するなど荒い値動きとなった。個人投資家のユーロ/円相場見通しも定まりにくかったようだ。

今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が152.00円、最安値が130.00円となり、高値の平均値は147.67円、安値の平均値は139.91円であった。高値の中央値は148.00円、安値の中央値は140.00円であった。前月調査から大きな変化はなかった。

ユーロ/予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、22.9%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は30.9%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は▼8.0%ポイントとなり、前月の△13.5%ポイントから2021年9月調査以来のマイナス(弱気)に転じた。調査期間前後の豪ドル/円相場は、中国がゼロコロナ政策を緩和したことなどを受け、91円台から93円台へ上昇した。しかし、世界経済の景気悪化懸念の高まりから伸び悩む展開となり、日銀の金融政策発表後には約9カ月ぶりの安値となる87.01円前後まで下落した。こうした不安定な相場展開の中、個人投資家の見通しは、円高・豪ドル安方向に傾いたようだ。

今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が100.00円、最安値が80.00円となり、高値の平均値は93.71円、安値の平均値は87.71円であった。高値の中央値は93.44円、安値の中央値は89.00円で、2~3.6円程度円高・豪ドル安方向にシフトした。

豪ドル/予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください

今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、25.4%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は27.3%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は▼1.9%ポイントとなり、前月の△9.6%ポイントから2022年1月調査開始以降、初のマイナス(弱気)に転じた。調査期間前後の英ポンド/円相場は、英中銀(BOE)が0.50%の利上げを行ったが英中銀金融政策委員会(MPC)メンバー内で利上げ幅について見解が大きく割れていたことから今後の金融政策に不透明感が広がりポンド売りが優勢となった。また、日銀の金融政策発表後には約3カ月ぶりの安値158.59円前後まで下落した。上値が重く、明確な方向感が出ない状況のなか、個人投資家は、円高・英ポンド安方向もしくは横ばいになると予測する向き多いようだ。

なお、今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が180.00円、最安値が150.00円となり、高値の平均値は171.26円、安値の平均値は161.82円であった。高値の中央値は170.00円、安値の中央値は162.00円で、前月調査から1円程度、ポンド高・円安方向にシフトした。

英ポンド/予想レート
※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が35.7%と最も多かった。「米ドル」が35.0%と僅差で続き、さらに、「ユーロ(9.3%)」、「メキシコペソ(4.2%)」、「豪ドル(3.9%)」、「英ポンド(3.2%)」、「NZドル(2.0%)」と続いた。「円」の割合は前月の30.4%から上昇して、今年1月に調査を開始して以来初めて「米ドル」を上回った。「円」と回答した理由については「急激に進んだ円安の反動」を指摘する声が多かった。その他、日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)修正で「金利差が縮小に向かう」との声や、「米国の景気後退(観測)でドルが安くなる」との意見もあった。「米ドル」とした向きからは「金利差の拡大はまだ続く」との声が挙がっていた。

問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)。また、選んだ理由もご記入ください

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が33.7%と最も多かった。次いで「円」が30.3%、さらに「ユーロ(8.7%)」、「英ポンド(7.3%)」、「豪ドル(6.4%)」、「中国人民元(4.2%)」、「トルコリラ(3.6%)」と続いた。「米ドル」の回答割合は前月の30.4%からやや上昇した一方、「円」の割合は34.3%から小幅に低下した。「米ドル」が弱くなると回答した向きは、「FRBの(金融政策の)方向性に変化が見られる」「米国の景気が悪くなり金利が低下する」「インフレ鈍化で米金利が頭打ち」などの声が挙がった。また、「買われすぎの反動」を指摘する向きも相当数見られた。

問7-1:2022年のFX取引についてお聞きします。 年間の損益は?

2022年の損益

今回の特別質問として2022年のFX取引における年間の損益状況を尋ねたところ、「トータルで損失」が46.0%で、「トータルで利益」の28.7%を上回った。「変化なし」は19.6%、「不明」は5.7%だった。今年7月の調査では「利益」が54.0%で、「損失」が24.5%であったことから、年後半に個人FX投資家の損益状況が一変したと考えられる。年前半の円安局面で順調に利益を出していた個人投資家が、10月中旬以降の円反発で大きく損失を出した可能性がある。

問7-2:年間の損益率は?

2022年の損益率

また、2022年の損益率について尋ねたところ「0~+10%」が23.5%で最も多く、次いで「-10%~0%」が17.9%、「-30%超」が16.4%で続き、以下「不明(12.8%)」、「+10~+20%(11.5%)」、「+30%超(9.1%)」、「-20%~-10%(8.9%)」の順になった。0%を挟んだ±10%のゾーンに4割以上の回答が集中したのが特徴的だ。また、「-30%超」の割合が7月調査の8.3%からほぼ倍増した点は興味深い。やはり、10月以降の円反発局面で、利益を減らした向きや、損失に転じた向きが多かったようだ。

問8-1:2022年のFX取引についてお聞きします。 前の年と比べて取引回数は?

2022年の取引回数

さらに、前年との比較で取引回数の変化についてと尋ねたところ「増加した」が47.6%で最も多く、「減少した」の21.2%を大きく上回った。その他、「変化なし」が23.2%、「不明」は8.0%であった。ほぼ半数の回答者が、前年よりも多く取引を行ったとしており、FX投資家が円安の進行を好機と捉えて活発に取引を行った様子が見て取れる結果となった。

問8-2:取引回数の増減率は?

2022年の取引回数の増減率

また、取引回数の増減率について尋ねたところ、「+30%超」が25.4%で最も多かった。次いで「0~+10%」が22.8%、「+10~20%」は13.5%であった。一方、「-10%~0」は9.4%、「-20~-10%」と「-30%超」は6.5%で並んだ。「不明」は15.8%だった。約4分の1の回答者が、前年より3割増し以上の回数でFX取引を行ったことがわかった。

問9-1:2022年のFX取引についてお聞きします。 前の年と比べて取引金額は?

2022年の取引金額

さらに、前年との比較で取引金額の変化について尋ねたところ「増加した」が42.5%で最も多く、「減少した」の19.2%を大幅に上回った。その他、「変化なし」が29.8%、「不明」は8.6%であった。個人FX投資家の多くは、2022年に取引回数だけでなく取引金額も増やしたと見られ、2021年に比べると、かなり積極的に取引を行ったことがあらためて確認できた。

問9-2:取引金額の増減率は?

2022年の取引金額の増減率

また、取引金額の増減率について尋ねたところ、「0~+10%」が27.0%で最も多かった。次いで「+30%超」が22.4%、「+10~+20%」が12.3%と続き、さらに「-10%~0(11.2%)」、「-30%超(6.8%)」、「-20~-10%(5.5%)」の順になった。「不明」は14.8%であった。問8、問9の結果は、店頭FX市場の年間取引高が過去最高を更新したことと平仄(ひょうそく)が合う。米ドル/円相場の年間38円に及ぶ大幅な変動が取引増加の最大の要因であろう。他方、株式市場や仮想通貨市場の動向が芳しくなかったこともFX取引増加の遠因になったと考えられる。

今後の調査実施計画及び公表方針

本調査も第163回目となりました。調査開始から12年が経過し、データの蓄積が進んできました。今後については、毎月定点観測で実施する調査結果を基に、予想DIの時系列比較から見出せるFX投資家の相場観の変化やその傾向などのほか、中長期的な視点に基づいたFX投資家の投資スタイルの変化などの考察も進めて行きたいと考えています。なお、毎月の本調査においては、公表扱いとしている質問項目及び回答結果の他に、「投資家の属性」、「取引頻度」、「取引規模」、「取引時間帯」、「投資選好」など、投資家実態を把握するために必要な各種の質問項目も設けて集計しています。それらの回答結果を用いた投資家の実態報告や属性別のクロス・セクション分析等については、当研究所が1年に1回、毎年年央に公表する「外為白書」で紹介する予定です。

主要4通貨の相場とDI

主要4通貨の相場とDI(グラフ)

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