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豪ドル/円 NZドル/円 週間為替見通し「豪雇用は堅調さをアピールできるか?豪ドル/円は引き続き米国注視!?」ハロンズ 2022/11/12

執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次

 

豪雇用は堅調さをアピールできるか?豪ドル/円は引き続き米国注視!?

今週の振り返り

先週末に「中国がゼロコロナ政策の緩和を検討している」との報道を受けて期待先行のリスクオンとなりました。ところが週末に中国当局が「ゼロコロナ政策は維持する」と発表したため、今週の豪ドル/円は94.38円前後、NZドル/円は86.33円前後とともに前週末終値(豪ドル/円94.92円前後、NZドル/円86.96円前後)から大きく下落して週初を迎えました。その後、11月8日に米中間選挙(開票は日本時間9日)、10日に米10月消費者物価指数(CPI)と市場の注目を集める米国の2大イベントを前に米ドル売り調整が持ち込まれたことで、豪ドル/円は95.19円前後、NZドル/円は87.22円前後まで上値を伸ばしました。米10月CPIでは市場の予想以上に米国のインフレが鈍化していたことで、米連邦準備制度理事会(FRB)が12月に利上げ幅を縮小するとの思惑が台頭。米ドルが広範囲に売られました。特に米ドル/円の下落幅が大きかったことから、豪ドル/円は92.91円前後、NZドル/円は84.62円前後まで下落することとなりました。
また、中国は7日に10月貿易収支、9日に10月CPIと10月生産者物価指数(PPI)を発表。貿易収支では予想を下回る貿易黒字額だったほか、2020年5月以来はじめて輸出と輸入がともに前年から減少しました。10月CPIは市場予想の前年比+2.4%を下回る+2.1%(前月+2.8%)、PPIは市場予想の-1.5%を上回ったものの-1.3%(前月0.9%)となりました。どの指標結果を見ても、中国の景気後退を連想させるものだったと思います。

注目の豪労働市場指標

来週は2つ豪州の労働市場の経済指標が発表されます。16日の豪7-9月期四半期賃金指数(WPI)と17日の豪10月雇用統計です。4-6月期のWPIは前年比+2.6%と前期(+2.4%)を上回る伸びを見せましたが、予想(+2.8%)には届きませんでした。他方で、5月に政権交代を果たしたアルバニージー政権は、公約通りに7月1日から最低賃金の大幅な引き上げを実施しました。この影響も加味して市場では+3.0%の伸びを予想しています。豪7-9月期CPIが+7.3%まで大幅に上伸していました。相応の賃金の伸びが見られない場合には、インフレの伸びに賃金の伸びが追い付かないため、家計が消費を抑えること、そして豪経済が減速に向かうことが連想されますので、豪ドルにとってはネガティブな材料となりそうです。
17日の豪雇用統計では、雇用の質に注目したいと思います。1978年に月次統計が開始されて以来、現在の豪州は労働参加率はほぼ最高水準にあり、失業率は最低水準(失業者が少ない)にあります。9月の雇用者数変化は+900人と市場予想を大きく下回りましたが、正規雇用者の増加分が非常勤雇用者数の減少分を上回ったためでしたので、悪くはない結果だったと思います(900人は驚きましたが、マイナスよりは遥かに良いですね)。10月の市場予想は雇用者数増減が+1.5万人、失業率と労働参加率はそれぞれ3.5%、66.6%と9月から横ばいになっています。各項目で大幅な改善が見られなくても、雇用の内容が良好であれば、高インフレ、高金利下でも豪州の景気がまだ耐えていられる、となりそうです。

米国の利上げ幅縮小観測が豪ドル買いを誘う

米国のインフレが市場予想以上に鈍化していたことで、FRBの利上げ幅縮小観測が高まっています。これまでは、12月の0.75%利上げのほか、ターミナルレート(今利上げサイクルの米政策金利の最高到達点)が5%~6%台まで上昇するとの予想が出ていました。ところが、インフレ率の鈍化幅が大きかったことから、12月の利上げ幅が0.50%に縮小されるとの思惑が高まりました。また、ターミナルレートについて市場の予想が4%台まで下方修正されました。そのため、米ドルが大半の通貨に対して下落することとなりました。来週も米国の経済指標の結果を受けてのFRBの利上げ幅に関する思惑が、豪ドル/円、NZドル/円の動きに大きく影響を与えそうです。基本的な考えとしては、FRBの利上げ幅縮小観測が高まると米金利は低下、株価は上昇、米ドルは売られることとなり、豪ドル/円、NZドル/円は買われるでしょう。これは10日の米10月CPI発表直後の動きと同じです。警戒しておきたいのは、米ドル売りが強まり米ドル/円が140円を割れた場合です。わかりやすい節目である140円を割れることで、米ドル/円の下落が加速する可能性があります。その場合は豪ドル/円、NZドル/円は米ドル/円の下落に連れて下がるのではないでしょうか。

豪ドル/円のテクニカル分析

豪ドル円は、日足一目均衡表の雲を明確に抜けきれずに反落となりました。来週も雲の上限が94.66円前後~94.82円前後に位置します。日々の終値で雲を上抜けることが出来れば、①日々線が雲を上抜け、②転換線が基準線の上(すでに達成)、③遅行線が日々線を上抜け(①が達成できれば達成しそう)となり、三役好転「買いのサイン」が点灯します。雲の上抜け攻防に注目となります。下値は、200日移動平均線が92円台まで上昇してきています。同線がサポートとして機能する一方で、下抜けた場合には売りが加速する可能性があります。その場合は直近の安値である90.85円前後に向けて下落する展開も頭に入れておきたいです。

【豪ドル/円 日足チャート・一目均衡表、200日移動平均線(青点線)】

出所:外為どっとコム「外貨ネクストネオ」

予想レンジ:AUD/JPY:90.50-96.00、NZD/JPY:83.50-87.50

11/14 週のイベント:

11/15 (火) 09:30 豪 豪準備銀行(RBA)、金融政策会合議事要旨公表
11/15 (火) 11:00 中国 10月小売売上高
11/15 (火) 11:00 中国 10月鉱工業生産
11/16 (水) 09:30 豪 7-9月期四半期賃金指数
11/17 (木) 06:45 NZ 7-9月期四半期卸売物価指数(PPI)
11/17 (木) 09:30 豪 10月雇用統計

一言コメント:

プロ野球は2022年シーズンが終わりました。Jリーグもシーズンが終わりました。アメフト(NFL)は週末開催なので、この時期は平日に観るスポーツがなくて寂しい思いをしています。と思ったら、アイスホッケー(NHL)がありました!しかも月$10ドルらしい…どうしましょう?記憶が正しければ(と言うか変わってなければ)、各チーム1シーズン80試合近くあったはずです。私が観ていたのは20年近く前になるので、当時の選手はいませんが、贔屓のチームはあります。妻に怒られそうですが…(汗)

 
nakamura.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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