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FX「米国の利上げ減速論 VS エネルギー価格反発」

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総括

FX「米国の利上げ減速論 VS エネルギー価格反発」

ドル円=144-149、ユーロ円=144-149、ユーロドル=0.97-1.02

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨11位(11位)、株価5位(5位)、円買い介入が持続するかどうか。先週後半のエネルギー価格上昇は円安要因」
 ドルが後述するように下落し、円がやや浮上し11月は5位スタート。9月の2.8兆円の円買い介入の効果は瞬間的なものであったが、10月21日の介入はその倍以上の6.3兆円で、節目の150円を超えさせなかったことでドル円はジリ安、3週連続週足陰線。11月月足も陰線スタートとなっている。今年は1-9月で14.2兆円の貿易赤字、それを埋める合計9.1兆円の介入が効果を出した。ただ貿易赤字は日々増加するので介入も継続しないと円安基調に戻るだろう。介入をしていない他の通貨も上昇しているので、円高ドル安は米利上げ減速論も影響している。

 ただ先週末に、崩れていた中国株式市場、人民元相場を回復すべく、習国家主席が「中国は引き続き市場を開放し、全ての国と協力して機会を共有する」と発言したことで、中国景気回復観測が復活し、原油や天然ガス価格が急騰したことは、日本の赤字拡大=円売りに繋がる。
 さて、日本は史上最高の企業収益、史上最高の税収となっている。昨年度の企業所得79兆5000億円で コロナ前の水準超え過去最高、また22年度税収が過去最高68兆円超の見通しで過去最高だった21年度実績を上回ったとの報道があった。これが国民の可処分所得増に繋がらないのが日本の課題であるが、収益増、税収増は確実に円安メリットの一つであろう。金利さえ引き上げれば、物価高に対応できる金利収入が増えるのだが、日銀はあくまでも自らの来年度の物価低下予想でゼロ金利は続けるようだ。消費者にとっては弊害だ。物価高要因で国民の苦情が寄せられる黒田総裁の発言が引き続き気になる。


*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)11位(7位)、米国の利上げ減速論 VS エネルギー価格反発」
 ドルは年初来では12通貨中で2位だが、NYダウが20市場中で11位、ナスダックが最弱の20位と弱い。ドルも10月は7位。11月も11位スタート冴えない。FOMCで4会合連続の0.75ポイント利上げを行ったが、パウエル議長は「利上げ停止について考えるのは極めて時期尚早」と指摘する一方、「早ければ次回、ないしその次の会合」で利上げのペースを落とすのが適切となるかもしれないと語った。その他の複数のFOMCメンバーも次回のFOMCでより小幅な利上げを検討する意向を示したのもドル下げに寄与した。
 
 一方、10月の米雇用統計では非農業部門雇用者数が増加も、失業率は3.5%から3.7%に上昇、また時間当たり平均賃金も前年比では5.0%上昇から4.7%へ伸びが鈍化したことはドルにネガティブとなった。11月8日の中間選挙では共和党が優位となる予想だが、トランプ氏の勢いが増すと、115円台でさえもドル高と強調していただけに今後の為替発言も注目される。ドルを支える要因としては、下落基調にあった原油、天然ガスが中国経済の回復観測もあり先週反転したことだ。再びエネルギー価格が上昇基調となればドルもそれを追いかけるだろう。今週は8%へ低下すると予想される10月消費者物価にも注目したい。


*ユーロ「通貨8位(7位)、株価13位(12位)DAX)、米ドルの自律的下落で浮上、高インフレと景気悪化は続く」
 円より弱くないが全体では強くもない。株価も弱い。ユーロドルは5か月ぶりで10月は月足陽線、11月も陽線スタート。たたまだパリティを回復していない。インフレは米国よりも高いが、経済指標は弱い。それでも利上げを続ける苦しさがある。ユーロにとって良い材料がない中でユーロが反発したのはFOMCメンバーでも「利上げ減速論」語られるようになってドルが下落したからだろう。

 ユーロ圏の10月の消費者物価は前年比上昇率が10.7%と、再び過去最高を記録。2023年、24年を通してECBの目標を上回って推移すると予想されている。 ユーロ圏の牽引車である独の貿易収支も冴えない。9月の独貿易統計によると、輸出は前月比0.5%減と、予想外の減少となった。輸入は2.3%減で、予想以上に減少した。9月の貿易収支は37億ユーロの黒字。最大の貿易相手国である中国からの輸入が5.4%増となる一方、中国への輸出は2%減だった。独の経済団体を引き連れての独と中国の首脳会談が先週行われたが、経済交流拡大に即効性があるかどうか。
 ECBのラガルド総裁とデギンドス副総裁は、高インフレが定着する前にインフレ率を引き下げることにECBは照準を合わせていると強調した。2桁に達しているユーロ圏の物価上昇率を引き下げる決意を示し、各国政府に対し過大な歳出により物価を上昇させないよう呼び掛けた。欧州の長期債の利回りは上昇を続けている。


*ポンド「通貨10位(9位)、株価4位(4位)、利上げも苦しい。トラス首相退任をきっかけとした財政の健全化でのポンド上昇も一服」
 トラス首相退任による財政の健全化発言でのポンド上昇も一服。対円では170円を大きく割り込んだ。ポンドは10月は月間2位と強かったが、11月は最下位スタートだ。年間でも12通貨中10位と低迷している。
英中銀は、2.25%の政策金利を0.75%ポイント引き上げ3%とした。英国のインフレ見通しは非常に厳しいとの認識を示し、「必要に応じて力強く対応する」姿勢を示した。
 インフレ率は今四半期中に40年ぶりの高水準となる11%前後に達すると予想。すでに始まっている経済の縮小は2年続き、2008-09年の金融危機時よりも長引くとの見通しを示した。0.75%引き上げは7対2で決定。テンレイロ委員とディングラ委員はすでにリセッションに入っている可能性があるとして、それぞれ0.25%、0.5%の利上げを主張した。

 ベイリー中銀総裁は「今回の0.75%ポイントの利上げを新しい標準と見なすべきではない」とし、今回の利上げ幅は将来の金利変更の前例にはならないと指摘。国内の労働需要が減速し始めていることを示す証拠も出ていると語った。
 一方、ハント財務相は中銀の今回の利上げについて、住宅ローンを抱える家庭や融資を受けている企業にとって「極めてに厳しい」ものになると指摘。ただ「世界的な経済危機がある」とし、「金利の上昇を抑制するために政府ができる最善のことは、負債を減らしていると示すことだ」と述べた。


*豪ドル「通貨6位(5位)、株価10位(9位)、利上げ減速論は維持。貿易黒字拡大、中国の影響大」
 豪ドルは対ドルで3週連続週足陽線、対円でも90円台から95円あたりまで戻してきた。いち早く実践したRBAの「利上げ減速論」で下落していたが、米国にも「利上げ減速論」が出始めていること、中国新政権が株安を放置、またゼロコロナ政策を緩和しないことで貿易を大きく中国の依存している豪の豪ドルが下落していたが、先週は習国家主席が、「中国は引き続き市場を開放し、全ての国と協力して機会を共有する」と述べたことや、インドネシアG20サミットで米中首脳会談の観測も出て豪ドルも反発した。
 さてRBAは政策金利を0.25%引き上げ、2.85%とした。9年ぶりの高水準となる。インフレ見通しも引き上げ、今後さらなる引き締めが必要になると表明した。インフレ率が年内に8%前後のピークを付けるとの見通しを示し、従来予測の7.75%から上方修正した。RBAは「今後さらに金利を引き上げると予想している。世界経済、個人消費、賃金・物価設定の動向を注意深く監視している」とした。

 ロウRBA総裁は、インフレを抑制するため一段の利上げが必要とみられるが、中銀は必要に応じて利上げを加速させたり一時的に停止する用意があると述べた。短期間で金利が大幅に上昇し、高インフレと相まって家計を圧迫していることを認識しているとも述べた。
 また貿易黒字の拡大も豪ドルを支えた。このあたりが豪ドルの強みだ。9月の貿易収支は12億豪ドルの黒字となり、黒字額が拡大した。輸出は前月比7.0%増加。鉄鉱石と液化天然ガスが伸びをけん引した。
一方、輸入は0.4%の増加にとどまった。8月に好調だった消費財が落ち込んだことが背景にある。


*NZドル「通貨9位(10位)、株価12位(10位)、強い雇用統計で次回は0.75%利上げ予想もでてきた」
 相変わらず、円よりは強いが、全体では9位と弱い。「持たざる国」を象徴している。貿易収支も黒字を続ける豪と異なり、赤字が続く。中国景気の減速で中国向け輸出が減少している。
さて3Qの失業率は3.3%と、前期比横ばいとなり、賃金の伸びは過去最高を記録した。NZ中銀が今月会合で0.75%の利上げを行うとの観測が高まった。就業者数は1.3%増加した。予想は失業率が3.2%、就業者数は0.5%増だった。民間部門の賃金は前年比3.8%上昇し、伸び率は1993年の統計開始以降で最も高い水準だった。前期比では1.1%上昇した。労働市場は依然としてタイトだ。労働コスト指数(LCI)と四半期雇用調査の賃金指標でいずれも民間部門が前年比の強い伸びをけん引した。労働参加率は71.7%、就業率は69.3%で、ともに1986年の統計開始以来の高水準となった。

 いち早く、利上げ減速論を打ち出した中銀オア総裁だが、国内経済は比較的好ましい状態にあるとする一方、高過ぎるインフレ率を中銀目標(1-3%)に戻すため注力していると述べた。

テクニカル分析

*ドル円「日足はボリバン下位へ。週足は3週連続陰線。月足は陰線スタート」
日足、ボリバン下位へ。11月2日-3日の上昇ラインを下抜く。11月2日-4日の上昇ラインがサポート。10月21日-11月4日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。20日線上向き。
ボリバン2σ下限は145.32。3σ下限は144.05。ボリバン中位は147.86。
週足、10月22日の介入で10週連続陽線とならず。3週連続陰線。10月24日週-31日週の上昇ラインがサポート。10月17日週-31日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、11月は陰線スタート。ボリバン2σ(上限は150.14)内へ戻る。9月-10月の上昇ラインを下抜く。6月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで大陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。ただボリバン3σ上限近くからは反落。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。


*ユーロドル「10月は陽転。11月も陽線スタート、日足は先週末大陽線」
日足、ボリバン3σ上限からボリバン下位へ下落は速かったが、先週末は11月2日-3日の過去ラインを上抜き大陽線で雲の上に出る。10月13日-11月3日の上昇ラインがサポート。10月27日-11月4日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線上向き。
週足、10月3日週-10日週の下降ラインを上抜く。一時ボリバン中位へ達す。10月10日週-31日週の上昇ラインがサポート。10月24日週-31日週の下降ラインが上値抵抗。10月31日週は下ヒゲが長い。
月足、4か月連続陰線。10月は陽転。11月も陽線スタート。ボリバン2σ下限から反発。9月-10月の下降ラインが上値抵抗。9月-10月の上昇ラインがサポート。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。ボリバン2σ下限到達。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。


*ユーロ円「4日連続陰線後、急反発」
日足、4日連続陰線後、11月2日-3日の過去ラインを上抜いて急反発。ボリバン中位超え。11月3日-4日の上昇ラインがサポート。10月31日-11月4日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線上向き。
週足、4週連続陽線とならず。10月24日週-31日週の上昇ラインがサポート。10月17日週-31日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線上向き。
月足、ボリバン3σ上限に近づく。今月は陰線スタート。9月-10月の上昇ラインがサポート。現在ボリバン2σ上限。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。


情報提供元:FX湘南投資グループ
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