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FX「円高の兆しがほんのり。今しばらく貿易需給、介入本気度、欧州中銀の為替への行動注視」

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総括

FX「円高の兆しがほんのり。今しばらく貿易需給、介入本気度、欧州中銀の為替への行動注視」

ドル円=140-145、ユーロ円=136-141、ユーロドル=0.94-0.99

通貨ごとの注目ポイント

*円「通貨10位(11位)、株価4位(4位)、円高の兆しがほんのりあるが、今しばらく貿易需給、介入本気度、欧州中銀の為替への行動を見たい」
「円高の兆しがほんのり」あるが、今しばらく貿易需給と介入の持続性と為替へのECB・BOEの行動を見たい。「円高の兆しがほんのり」というのは、24年振りの円買い介入のことではない。円安を導いてきた原油・天然ガスの価格が下落していることだ。先週終値では原油が78.74ドルでロシアのウクライナ侵攻直前の90.74ドルを下回っている。天然ガスは6.836ドルで、これはまだ、侵攻直前の4.60ドルを下回っていないが、その後の高値の9.64ドルと侵攻直前の4.60ドルの半値の7.12ドルを下回っている。ならずものプーチンがまた奇手を打ってくれば急騰する可能性もあるが、各国の努力もあり、落ち着いてきたことは確かだ。この下落が日本の貿易赤字改善にいつ影響するかがどうかだが、3か月くらいかかるかもしれないので、10日ごとに発表される貿易統計をこまめに注視したい。

 介入は「平衡操作」と今も財務省に記載されているように、目的はスムージングオペレーションであって、強烈に押し上げたり押し下げるものではない。年間10円程度の動きであれば、何もしなかったであろうが、プラザ合意以降のドル上げでは最大の33円幅となったので調整介入が入った。この調整介入の規模と持続性は今週明らかになる。今回は日本の単独介入が認められたようだが、今後は同じく通貨安とインフレに悩むECBやBOEの為替議論が活発化するかどうかを見たい。

 黒田日銀総裁は金融緩和と円安の関連性を否定している。長期的には強い通貨は、金利の低いスイス、円、ユーロだからだろう。いずれも長期的に貿易黒字を続けていた国だ(今年の日本とユーロ圏は除外)。黒田総裁の2016年のマイナス金利導入時でも円高が120円から98円に進んだこともある(2016年は貿易黒字に転換した年)。ただ少しは財務省に協力的態度をとってもいいと思う。

 円安是正の声が強いが、企業収益は最高益を出すところも多い。メリットも大きいが、個別では物価高を嘆く消費者の数が多く政治家を通じて財務省への圧力となった。株価もマイナス圏だが、世界では上位にランクされているのは円安メリット効果もある。数では多数派の円高が進むと、企業収益悪化や株安のリスクは残るだろう。今週は日銀首脳の発言もある。

*米ドル「通貨2位(2位)、株価(NYダウ)11位(10位)、インフレの若干の低下はあれどFRBの金融引き締めの決意は固い」
 9月22日の日銀のドル売り介入後は対円では下落したが、他通貨に対してはさらにドル高が進んだ。FOMCでの0.75%利上げと、パウエル議長のインフレ目標2%向けての強い決意で米金利が上昇していることが挙げられる。インフレは8月で2か月連続で低下し、パウエル議長もコモディティー価格がピークを迎えたと発言しているが、7,8%台のインフレでは強いインフレ抑制の姿勢は変わらないようだ。「痛みを伴わずインフレを抑制する方法はない。今積極的に行動し、インフレが低下するまで継続する。インフレは引き続き目標の2%をはるかに超えている。インフレ率が2%に回帰するという明確な証拠の確認望む」と続けた。貿易赤字は続いているものの、資源価格の上昇で潤沢な資本流入もドルを支えている。円安もドル高もエネルギー価格動向がカギだ。

 経済指標もすべてが強いわけではないが、欧州と比べればまだしっかりしている。先週発表分では9月製造業PMI、8月住宅着工、失業保険申請者数が改善した。英欧とは一線を画している。ドル高についても、海外に比べれば不満は少ない。インフレがスムーズに価格に転嫁され、賃金上昇率も高止まりしているからだろう。11月2日まで1か月以上、FOMCは開催されないので、より一つ一つの経済指標が注目されよう。
 株の大幅安があるが、上昇した金利に投資はシフトしているので、日本ほどのもどかしさはないだろう。

*ユーロ「通貨8位(8位)、株価13位(13位)DAX)、0.96台へ下落した。いい話が出てこない」
 1ユーロ=1ドルが維持できず、0.96台へ下落した。いい話が出てこない。8月インフレは9%台のせ、7月・貿易収支・経常収支は赤字拡大、9月消費者信頼感指数、製造業・非製造業PMIは悪化した。
 ECBの発言も厳しい。ナーゲル独連銀総裁は、「ECBは金利を上げ続ける一方、目的が達成されれば保有債券の再投資などの非伝統的な措置を終了させる必要がある。インフレとの戦いには負担が伴う。経済成長率が低下したとしても金利を引き上げなければならない」と語った。インフレは一時的としていたラガルドECB総裁も「ECBの措置により成長が圧迫される可能性があるが、物価安定が最優先になる」と表明した。

 外部要因も足を引っ張った。日銀の円買い介入では対価として売られた。英国が大規模な減税と大幅な借り入れ増額を発表して、ポンドが37年振りに安値を付けたことでユーロもつれ安となった。下げ止まり要因としては、ユーロドルがボリバン3σ下限まで下落して行き過ぎ感が出ていることか。日本のようにユーロ買い介入の声が出てくるかどうか。

*ポンド「通貨11位(10位)、株価3位(3位)、37年ぶりの安値、財政政策に不信。今週、臨時利上げの声も出ている」
 英ポンドが対ドルで37年ぶりの安値を付けた。年初来の12通貨中番付では円に抜かれ11位へ落ちた。リセッション入りの可能性が高まっていたが、 クワーテング財務相が大規模な減税と大幅な借り入れ増額を発表、これを受け金融市場には動揺が広がり、ポンドや英債価格が急落した。減税策では所得税の最高税率を引き下げるほか、法人税率の引き上げ凍結や不動産購入時の印紙税削減を実施。規模は2026/27年までで450億ポンドで、1972年以降で最大。クワーテング財務相は英経済成長率を向こう5年間で年率1%引き上げることによって減税分の回収が可能としたが、市場はその可能性は低いと懸念した。

 市場では早くも信用を回復させるために、英中銀は今週にも緊急会合を開き、大幅な利上げを行う必要があるとの声が出ている。
消費者物価は9.9%。7月GDPは前月比0.2%増加で、予想の0.4%増を下回った。8月小売売上高は2021年12月以来最大の減少でいい話はない。今週は英中銀のカンリフ、ラムズデン副総裁、テンレイロ、ディングラ政策委員の講演がある。政府の景気対策とポンド急落に言及するか。

*豪ドル「通貨5位(5位)、株価7位(7位)、消費者物価が毎月発表に。利上げ減速論、経済指標は良好、エネルギー価格下落は売り材料」
 豪ドルはじり安推移を辿っている。RBAの利上げ減速論と、天然ガス、鉄鉱石などの資源価格が下落していることがある。RBAは議事要旨で高インフレを抑えるために再び金利を引き上げる方針を示しつつ、金利がより正常な水準に近づくに連れ利上げペースを緩める可能性があるとの認識を示した。理事会メンバーは金利が通常水準に近づいていることに言及、9月に0.25%もしくは0.5%の利上げを行べきかどうかについても議論した。「金融政策には時間差があり、金利はかなり急速に引き上げられ、通常の状況に近づいていることを認識した」としている。
 ブロックRBA副総裁も、5カ月間で5回の利上げを実施したが、金融政策はまだ制限的ではないと指摘した上で、利上げペースをある時点で鈍化させる機会を探っていると述べた。
 さて新たに公表を開始した月次消費者物価(CPI)が今週発表されるが、統計上のノイズが多く、来月4日の中銀理事会の討議に大きな影響を及ぼす可能性は低いとも発言した。
豪の経済指標は悪くはない。9月製造業・日製造業PMI、8月雇用統計、9月消費者信頼感指数は改善した。ファンダメンタルズが良い中で、金融引き締めが一服出来るようなインフレ状況なら最良だ。
今週は8月小売売上の発表がある。次回政策金利決定は今の所0.25%の利上げ予想となっている。

*NZドル「通貨9位(9位)、株価6位(8位)、利上げ減速論と貿易赤字で弱い」
 8月22日に政策金利を0.5%引き上げ3.0%にしてから現在までじり安推移となっている。NZは昨年11月にいち早く利上げした国であったが、その後は他国も利上げし、そのペースを速めていることもあり、次第にNZの利上げでのNZドル買いに注目が集まらなくなってきた。9月に入ってはエネルギー価格も下落傾向で資源国通貨が下落し、資源通貨豪ドルに連れ安となっている。

オア中銀総裁の発言も影響しているだろう。総裁は、国内のインフレ率が鈍化しつつあると確信していると述べている。 「インフレ率は世界的に見て低い方に位置しており、正しい方向に進んでいる」との見方を示した。オア総裁は、労働力不足が経済活動への主な制約と指摘。中銀は生産能力により合致するよう、意識的に需要低減を図っていると述べた。将来的には、支出の伸びが鈍化するに伴い、労働力も放出されるだろうとした上で、国外からの移民増加も見込んでいると述べた。中銀は住宅価格について、2021年12月末のピークから、23年半ばまでに約20%下落すると予想している。

 需給的には貿易赤字が続いていることもNZドルが伸びない理由だ。8月貿易収支は24.47億NZドルの赤字で、赤字は3か月連続だ。政策金利決定は10月5日で、現在0.5%の利上げ予想だ。

テクニカル分析

*ドル円「日銀介入も週足は陽線、月足もここまで陽線」
日足、9月22日に24年振りのドル売り介入が出て高値145.90、安値140.35と5円55銭の大きな値幅を残した。9月22日-23日の下降ラインと9月22日-23日の上昇ラインのどちらを抜けるか。8月11日-9月22日の上昇ラインもサポート。ボリバン中位超え、中位は142.23。5日線、20日線上向き。
週足、6週連続陽線。先週は日銀ドル売り介入があるも陽線を維持した。8月15日週-9月19日週の上昇ラインがサポート。ボリバン2σ上限に近い。
月足、9月はボリバン2σ上限を一時上抜く。長い上ヒゲを出しているが依然ボリバン2σ上限を超えている。6月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、2021年は6年ぶり陽線。今年もここまで大陽線。2016年-20年の下降ラインを上抜く。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜く。

*ユーロドル「9月6日-20日の上昇ラインを下抜くと、一気にボリバン3σ下限0.96台へ下落」
日足、打たれ強く1.0をかろうじて維持していたが、9月6日-20日の上昇ラインを下抜くと、一気にボリバン3σ下限へ下落、9月22日-23日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線下向き。
週足、ボリバン2σ下限。9月5日週-12日週の上昇ラインを下抜く。9月12日週-19日週の下降ラインが上値抵抗。5週線、20週線は下向き。
月足、3か月連続陰線。9月もここまで陰線。ボリバン3σ下限。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。
年足、20年‐21年の上昇ラインを下抜く。17年-20年の上昇ラインも下抜く。14年‐21年の下降ラインが上値抵抗。年足的サポートラインがない。

*ユーロ円「介入もあり4連続陰線」
日足、9月19日-20日の上昇ラインを下抜いて下落し始めていたが、日銀介入で動きを加速し雲上限まで下落。9月5日-16日の上昇ラインがサポート。8月24日-9月23日の上昇ラインがサポート。9月22日-23日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き、20日線上向き。
週足、9月12日週にボリバン3σ上限に近き、先週は日銀介入で急落、ボリバン中位で止まる。8月29日週-9月19日週の上昇ラインがサポート。5週線、20週線上向き。
月足、日銀ドル売り介入でボリバン3σ上限から急落、ボリバン中位まで下落。9月月足はで長い上ヒゲを残している。3月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、2年連続陽線。今年も3月に陽転。14年-21年の下降ラインを上抜く。12年-20年の上昇ラインがサポート。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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