シカゴIMM通貨先物ポジションの推移から為替市場の全体的な状況と投資マインドを読
み解きます。
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
目次
▼IMMポジション ユーロ/ドル
ユーロネットショート大きく減少
ドル/円
IMMポジション ドル/円
ポイント
【円ネットショート大きく増加】
9月13日時点で円のポジションは、ドルに対して8.1万枚の売り越し(ネットショート)。
ロングが大幅に取り崩され、ショートが積み増されたことから、ネットショートは前週から2.1万枚増加。
期間中のドル/円相場は、24年ぶりに144.98円前後まで上昇したのち141円台へと急反落したものの、再び144円台に切り返すなど荒っぽいながらも底堅い動きとなった。
米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀の金融政策の方向性の違いが改めて意識される中、投機筋は円買いポジションを損切りし、新たな円売りポジションを構築したようだ。
ユーロ/ドル
IMMポジション ユーロ/ドル
ポイント
【ユーロネットショート大きく減少】
9月13日時点でユーロのポジションは、ドルに対して1.2万枚の売り越し(ネットショート)。
小幅に積み増されたロングに対し、ショートが大きく取り崩されたことで、ネットショートは前週から2.5万枚減少。
期間中のユーロ/ドル相場は、欧州中央銀行(ECB)副総裁が大幅利上げについて言及すると1.0198ドル前後まで上昇したが、経済指標の結果からリセッション(景気後退)に突入している可能性が浮上し、再び1.00ドル台を割り込んだ。
投機筋は引き続き、下値でのユーロ買戻しを進めており、ユーロ/ドルがパリティ(等価)を大幅に割り込んで下落するとは見ていないようだ。
ポンド/ドル
IMMポジション ポンド/ドル
ポイント
【ポンドネットショート増加】
9月13日時点でポンドのポジションは、ドルに対して6.8万枚の売り越し(ネットショート)。
ポジションを大きく削ったロングに対し、ショートが積み増しに動いたことで、ネットショートは前週から1.8万枚の増加。
期間中のポンド/ドル相場は、一時1.1737ドル前後まで上昇したものの、再び1.149ドル台へと押し戻された。
投機筋によるポジション解消のポンド売りがポンド/ドル相場の上値を抑えた公算が大きい。
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IMMポジション
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神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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