豪ドルのFXデイトレードを行ううえで、インプットしておきたいトレードシナリオなどをギュッとまとめました。
執筆:外為どっとコム総合研究所 中村 勉
Twitter:@gaitamesk_naka
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目次
RBA理事会直前 どうなるRBA
今日の豪ドル トレードシナリオ
ここまでの相場
本日、9月6日 13:30豪準備銀行(RBA)政策金利発表!
・8月2日のRBA理事会で政策金利を市場予想(0.25%~0.50%)通り0.50%の利上げを実施。次回以降も大幅利上げの可能性は残したが、先月までのタカ派的な姿勢は後退した。
・WTI原油価格はNY市場が祝日のため休場。OPECプラスは10月に日量10万バレルの減産を決定した(9月5日)。
・7月分の豪雇用者数は4.09万人減と予想の2.5万人増を大幅に下回る。失業率は3.4%まで低下、労働参加率は66.4%(前月66.8%)へ低下した(8月18日)。
・2022年4‐6月期の賃金指数(前年比)は+2.6%と市場予想(+2.7%)を下回る。前期比は+0.7%(前回:+0.7%)と、賃金は堅調さを維持している(8月17日)。
・7月27日発表の豪2022年4-6月期消費者物価指数(CPI)は前年比+4.9%(トリム平均)と、インフレ率は前期(+3.7%)から急伸する結果となった。
今日のメインシナリオ
まもなくRBA政策金利発表!ハト派化のきざしが見えると豪ドル/円は下落へ
本日はRBAの政策金利が発表される。RBAは前回8月の理事会で0.50%の利上げを実施し、今後の利上げについては「データ次第」と示した。その後の豪経済指標は以下の結果になった。①豪7月雇用統計は5,6月ほどの力強さはなかった
②メルボルン研究所の発表する8月の期待インフレは前月比-0.5%(前回:+1.2%)へ低下。
③豪貿易収支は、2カ月連続で過去最高の貿易黒字を更新中
④豪7月小売売上高は予想を大幅に上回った
RBAが金融政策を決定する際に特に重視している、①雇用、②インフレについては、単月で見ると雇用は悪化、インフレは軟化とRBAが利上げ幅を縮小する材料として見られてもおかしくない。しかし、豪統計局が月次統計を開始した1978年以降で最も低水準の失業率(3.4%)は、豪州の労働市場が力強いことを示し、インフレ率は6%台とRBAの目標(2~3%)の2倍以上の高インフレ下にある。③、④を見ると豪経済は力強さを保っている。そのため、筆者は今回もRBAは0.50%の利上げを継続すると予想している。
注目は政策金利と一緒に発表される声明だ。基本的には8月の声明文とほぼ同じ内容になることが予想されている。注意したいのは声明に変更が加えられた場合だ。8月の声明で、RBAは年内に政策金利が4%近くまで上昇することを予想している。②のようにインフレが軟化し始めたと解釈できる指標結果が出てきており、RBAが現時点から更にタカ派化することはなかなか想像できない。一方で、①や②の結果を受けて、市場には「RBAが軟化するのでは?」との思惑が少なからず浮かんでいる。声明が、RBAのハト派化を示す内容に修正されていれば、RBAの意図よりも強く市場が反応し、豪ドルには相応の売り圧力がかかってきそうだ。
個別の想定シナリオ
■RBAの声明がハト派的と受け止められる
⇒RBAの利上げサイクルは終了間近と市場が受け止める
⇒欧米の中銀は積極的な利上げをやめる気配はない
⇒豪ドルは売られる
チャート分析
今後の注目材料
13:30 RBA政策金利
「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」
外為どっとコムのテクニカル分析ツール「ぴたんこテクニカル」の「お天気シグナル」では豪ドル/円、豪ドル/米ドルとも曇り。8時に豪ドル/円のRSIで売りシグナル点灯。
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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